風響社通信
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<風響社通信 No.4> 2000年10月18日

<風響社通信 No.4> 2000年10月18日

第4号をお届けします。

今年から「風響社通信」と銘打って、新刊のご案内やその他の情報をメールでお知らせすることといたしました。

一応、月刊を目指しますが、めぼしいお知らせがない場合は休刊といたします。

なお、こんなメールは必要ないと思われる方は、大変お手数ですが、不要の旨ご一報下さいますようお願い申し上げます。

内容


1,新刊・近刊のご案内           
                      
2,新着情報 
                      
3,オン・デマンド出版続報

1,新刊・近刊のご案内            

 ◎『植民地人類学の展望』(中生勝美編、2500円)は8月15日刊行いたしました。

 ◎『日本統治下ミクロネシア文献目録』(山口洋児編、8000円)は9月30日刊行いたしました。

 ◎『訳注 明史刑法志』(野口鐵郎編)は11月予定。

 ◎『〈血縁〉の再構築──東アジアにおける父系出自と同姓結合』(吉原和男・鈴木正崇・末成道男編、3500円)は11月予定。

 ◎『身体と形象──ミクロネシア伝承世界の民族誌的研究』(河合利光著、8400円)は12月予定。

 ◎『日本華僑における伝統の再編とエスニシティ』(王維著、7000円)は12月予定。

 ◎『カンボジアの農民──自然・社会・文化』(J・デルヴェール著/石澤良昭監修・及川浩吉訳、1万5000円)は最終段階で遅れが出て、来春早々の予定です。予約を多数頂いており、大変恐縮ですが、今しばらくお待ち下さい。

2,新着情報            

●風響社オンデマンド(FOD)の出発。

 もはや絶滅寸前の希少種となった少部数の学術出版に新たなエンパワーメントとなりうるか。研究・実験を続けているオンデマンド技術を利用して、ジャンル横断的なシリーズ・風響社オンデマンド(FOD)が出発しました。
 並製(ペーパーバック)のみのオンデマンド出版に、函・カバーをつけ、耐久性・保存性・質感を高めた、造本形態がFODの特長です。
 
●創業10周年記念セールのお知らせ。

 2001年1月16日をもって、小社も創業10周年を迎えます。これを記念して、風響社通信の読者の皆様に限り、全点2割引きの特別優待販売を行うことといたします。
 期間中(明年1月末まで)に、メールにてお申し込み下されば、公費・私費を問わず、優待価格でお送りいたします。
 なお、ご注文メールには必ず「記念セールへの注文」の一文を書き添えてください。

3,オン・デマンド出版続報          

 9月の新刊『日本統治下ミクロネシア文献目録』は、オン・デマンド印刷の技術を使った小社第2弾の書籍です。少部数しか見込めず製作費の早期回収も困難な企画に、オンデマンド出版は有効な手段ではありますが、上製本に対応していないため学術出版に要求される保存性や上質感に欠ける憾みがありました。
 今回とりいれた風響社オンデマンド(FOD)スタイルは、そうした欠点を埋める一つの試みです。今後、小社の刊行物の中にFODスタイルが増えていくかと思いますが、進展を見守っていただきたいと存じます。

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 いずれも、詳細は小社ホームページをご覧下さい。
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【後記】
 夏が過ぎオリンピックも終わったというのに、読書の秋は戻ってこないようです。先日の新聞にCDの売上減の原因が携帯電話にあると出ていました。通話料金がiモードなど目新しいサービスの普及で増加し、そのしわ寄せがCDに来たというのです。学術出版に置き換えますと、書籍売上の減少はITにあり、ということになりそうです。大学の研究図書費や補助金の中でパソコンやソフトに向けられる割合が高まり、書籍購入費にしわ寄せが来ているという分析です。
 
 これは情報メディアにおける(紙の)出版の意味を考える上でも示唆的です。IT出版(インターネット・電子出版)が、従来の紙の出版と決定的に異なるのは、製作費削減という製造者サイドの問題だけでなく、出版の主体がより著作者に近づいたことです。誰もがパブリッシャーとなれる時代の到来というわけです。

 それは、情報とパブリッシュの間に横たわっていたブラックボックス=出版・印刷・流通複合体や、岩波的権威・講談社的権威にたじろぐことなく、自らの情報を読者に伝えることができる時代ということです。整理すれば、

 従来型=物神的・権威的・恒久的なページ
 IT型=非価値論的・流動的なページ

であり、城郭建築というハードの時代から楽市・楽座というソフトの時代へ変化したこと、になるでしょうか。

 とはいいましても、新しい時代を享受するにはそれなりの負担もあります。読者のこのところの行動はIT型情報の増大に関連して、その受信装置を整える時期にある、つまり送受信のインフラ整備の先行投資の時期と分析できるのだと思います。
 
 紙の出版が消滅してしまうことはないにしても、IT出版の増大に応じてそのシェアは減少していくでしょう。21世紀初頭は低落していく従来型出版と、勃興するIT出版の主役交替の時期であり、それは産業の部分だけでなく、文明史的交替でもあろうことは、おそらく間違いないように思われます。
 
 それを生業としている小社には「困難な」時代ではありますが、だれよりも自由な「出版」活動がしたいと思い、DTPやITに先進的に取り組んできたわけですから、「待望の」時代でもあります。
 
 10周年にあたりましては、あらためてご挨拶を申し上げますが、「紙神のたそがれ」を目の当たりにした雑感を一言述べさせて頂きます。
 



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