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<風響社通信 No.13> 2005年7月5日 蒸し暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。今年もはや半分が過ぎてしまい、気ばかりあせる毎日ですが、暑さを忘れる「ひやりはっと」事件が多発、これも暑さ対策と笑っていられないJAL症候群となっています。 【初めて受信された方へ】
◎『中国の〈憑きもの〉 華南地方の蠱毒と呪術的伝承』(川野明正著、5000円)は3月上旬刊行しました。 ◎『家屋とひとの民族誌 北タイ山地民アカと住まいの相互構築誌』(清水郁郎著、8400円)は3月上旬刊行しました。 ◎『中国湖北農村の家族・宗族・婚姻』(秦兆雄著、6000円)は3月上旬刊行しました。 ◎『民俗文化の再生と創造 東アジア沿海地域の人類学的研究』(三尾裕子編、3000円)は4月上旬刊行しました。 ◎『中国の民族表象 南部諸地域の人類学・歴史学的研究』(長谷川清・塚田誠之編、6000円)は5月中旬刊行しました。 ◎『中国人の宗教儀礼 道教篇』(大淵忍爾著、1万8000円)は6月上旬刊行しました。
◎『幻の人類学者 森丑之助 台湾原住民の研究に捧げた生涯』(楊南郡著、笠原政治・宮岡真央子・宮崎聖子編訳、2500円) ◎『アジア市場の文化と社会 流通・交換をめぐる学際的まなざし』(宮沢千尋編、4000円) ◎『阿爾寨石窟 成吉思汗的佛教紀念堂興衰史』(バトジャラガル・楊海英著、「アルジャイ石窟」中文版、4800円) ◎『台湾原住民研究 日本と台湾における回顧と展望』(台湾原住民研究シンポジウム実行委員会編、2500円) ◎『台湾原住民研究 9号』(日本台湾原住民研究会編、3500円) ◎『ベトナムの社会と文化 5号』(ベトナム社会文化研究会編、3500円)
◎2003年9月刊行のシンジルト著『民族の語りの文法 中国青海省モンゴル族の日常・紛争・教育』が、今年5月に開催された日本文化人類学会研究大会において、第31回澁澤賞を受賞しました。これは、瀬川昌久著『客家 華南漢族のエスニシティーとその境界』(第24回)に続く小社刊行物の受賞となります。 いずれも、詳細は小社ホームページをご覧下さい。 ……………………………………………………………… 【後記】 風響社も「滞」だ怠惰だ、とお叱りを受けつつ、なんとか目前の仕事をこなす毎日ですが、そんな中にうれしいニュースがありました。上記の受賞です。かの中根千枝先生も第二回受賞者に名を連ねる日本文化人類学界の「新人賞」的存在に、小社の刊行物が再び選ばれたのでした。もちろん著者の栄誉ですが、版元としても喜ばしく、刊行にご助力いただいた先生方およびトヨタ財団には改めて御礼申し上げる次第です。 さて、最近とどいた通知の中に「Web上のデジタルコンテンツに対するISBN付与の基準」というものがありました。ISBN=国際標準図書番号とは、市販書籍の裏表紙に必ず印刷されているもので、世界中の書籍1点ずつに一つ割り当てられる「書籍の総背番号制」のようなものです。上記の『民族の語りの文法』の場合、ISBN4-89489-016-X となります。 今回その規格が改定され、従来、紙の本にのみ付けられていた番号を電子図書の類にも付与できるようになった、ということなのです。このまま読めば、ホームページ上のコンテンツも書籍なみの著作物として認知されるようになったかと思われますが、どうもそれほど単純ではないようです。以下に日本図書コード管理センターHPの関連記事をかいつまんで引用します。(http://www.isbn-center.jp/) --------------------→ 【日本の事情】日本ではこれまで、電子書籍などのデジタルコンテンツへの付番を「当面、対象としない」としてきたが、電子書籍の2003年の新刊は、出版年鑑の調査によれば約1万8000点、現在計5万点ぐらいに拡大している。また、流通上も統一コードが必要となってきている、という電子出版関係者からの強い要望もあり、以下のような基準で付与する方向に転換した、という。 基準:国際基準でISBNの対象外とされたもの、たとえば、オンラインデータベース等、恒常的に更新されるもの、ウェブサイト、販売促進もしくは広告物、電子掲示板、私的文書、ブログなど、それに雑誌はISBNを付けられない。 出版者の義務: 米英の決めるスタンダードに対しておずおずと舵をきってついていく日本の状況がここにもあるようですが、現実に適応するとどうなるのでしょうか。小社の場合ならとりあえず、HP上にオリジナルまたは紙の本からのコンテンツを電子本としてアップし、それに番号を付ける、というようなことになります。 読者の皆さまの場合ならどうでしょう。実はISBNというのは出版社の独占というわけではなく、個人でも申請すれば与えられる番号群なのです。日本には一応表現や出版の自由があるわけですから当然のことなのですが、あまり知られていません。ともかく今回の規定により研究者や研究会が独自に番号群を取得し、電子コンテンツに規定通り番号を付けたら、国際的に電子書籍として認知される、ということになります。 おそらく米英ではこうしたデスクトップな出版が日々行われている一方、日本では業界主導の「基準」の中で、相変わらず制度化された出版界という機構が温存されていく、明治以来の「お上」スタイルの踏襲のように思われます。 米英のグローバルスタンダードも嫌だけど、日本の官民一体型談合社会も嫌、という中で、日々業務に忙しい社主としては、特に異論を唱えたりする時間も余力もありませんが、ともかく日本でも出版は自由(なはず)だということを、ここだけの話としてお知らせする次第です。 出版の自由をハードとソフトで具体化したDTP(デスクトップパブリッシング)のアップルも米英文化なら、グローバルスタンダードを体現するマイクロソフトも米英文化です。抬頭しつつあるもう一つの巨人=中国のスタンダードも日本とは随分異なるようですが、こんなややこしい巨人たちと同居する狭い地球という見方を捨てて、ミクロな等身大の視点で複雑多様な地球を再発見していきたいものです。 今年も猛暑では、小社の「ひやりはっと」も多発するかもしれませんが、お気づきの点はどうぞお知らせ下さい。では、よい夏を。おっとその前に仕事ですね。 ---------------------------------------------------------- |
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