ホーム > 中国社会における文化変容の諸相

中国社会における文化変容の諸相

グローカル化の視点から

中国社会における文化変容の諸相

現代中国躍進の原動力=グローバル化。そしてローカルの現場を再構築する人々。二つのベクトルの交錯から中国社会を読み解く。

著者 韓 敏
ジャンル 人類学
シリーズ 人類学集刊
出版年月日 2015/03/31
ISBN 9784894892132
判型・ページ数 A5・384ページ
定価 本体5,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序論 中国社会における文化の再構築とグローカル化(韓敏)

●第1部 歴史の視座からみる中国のグローカル化

上海租界のなかの西洋文化:亡命ロシア人とユダヤ人がもたらした芸術音楽の受容プロセス(井口淳子)
中国における火葬装置、技術の普及と労働現場の人類学:新たな技術を受容し、環境を再構成する人々に着目して(田村和彦)
銅像のジェンダー:社会主義的身体表象に関する考察(高山陽子)
キャンベラの「中国城」を生きる孔子・チャイナフード :越境するグローカル化の中国表象への試み(高 明 潔)

●第2部 文化行政からみるナショナル・地域の文化遺産

グローカル化における祝祭日の再構築:中国の端午節の文化変容を事例に(謝茘)
項羽祭祀の伝承とその文化遺産化:安徽省和県烏江鎮の「3月3覇王祭」(韓 敏)
中国における無形文化遺産をめぐるグローカリゼーションの一側面:広東省珠江デルタの「中山咸水歌」を例に(長沼さやか)
博物館建設と学校設立にみる伝統演劇界の再編過程:陝西地方・秦腔の事例から(清水拓野)

●第3部 個人や企業主導の文化実践と表象

チワン族の繍球文化:その実践とシンボリズム(塚田誠之)
農民画という「アート」の創生:プロパガンダから観光商品へ(周 星)
葬儀産業の形成から見る文化の伝承と変容:上海市を事例に(何 彬)
グローカリゼーションという視点から見た祭祀空間としての家屋の変遷:広東省珠江デルタの事例から(川口幸大)
町に出るピモ:県城におけるピモ(彝族祭司)の活動(清水 享)

編者あとがき/索引

このページのトップへ

内容説明

現代中国を作り上げている巨大な原動力、グローバル化。人々はそれを受け入れつつ、集団、地域、エスニシティ、ナショナリティ、ルーツや伝統を意識し、ローカルの現場を再構築している。

 

****************************************

序論より

 

本書は、19世紀末から現代までの中国社会における文化的変容の諸相について、西洋化、社会主義近代化と都市化の観点を踏まえつつ、グローカル化の視点からアプローチしたものである。


現代中国の形を作り上げている原動力は主に二つある。一つは民族平等、社会的・経済的平等を目指した民主主義革命と中華人民共和国建国後の社会主義革命であり、もう一つは市場経済の原理にともなうグローバル化である。前者についてはすでに『革命の実践と表象─現代中国への人類学的アプローチ』という成果を世に出している。編者が代表をつとめた共同研究「中国の社会変化と再構築─革命の実践と表象を中心に」(2004〜2007年)は、20世紀の革命を中心に中国社会の再編成を検討し、近代中国の革命を単に歴史の出来事としてみるのではなく、一つのシステムと見なし、社会主義革命の言説や諸制度の生成過程と表象、革命的諸制度と言説における従来からの連続性と断絶性、グローバルの時代における革命的言説・諸制度・表象の新たな展開と再構築といった三つの問題を解明した[韓 2009]。


今回の共同研究は、前回の成果を踏まえ、現代中国を形作ったもう一つの原動力であるグローバル化に焦点を当て、政府主導の中国的ローカル化および企業や個人などが主体となるローカル化の実態と問題点を検討した。本書は、現代中国を貫通する最も重要なキーワードの一つであるグローバル化に関する基礎的な人類学研究であり、2008年10月から2011年3月まで開催された国立民族学博物館共同研究「中国における社会と文化の再構築:グローカリゼーションの視点から」(代表:韓敏)の研究成果である。


本研究のキーコンセプトであるグローカル化は、世界化と地方化、あるいは世界の同質化と多様化の同時進行を意味するものである。すなわち、政治・経済・文化の均質的なグローバル化が進む中で、人々は支配的なものを標準として受容しながら、自分たちの集団、地域、エスニシティ、ナショナリティ、ルーツと伝統を意識し、再構築すると同時に、「グローバルな競技場」においてローカルなアイディアやモノを発信し、普遍性のあるものにしようとしている。本共同研究は上記のグローカル化の視点から現代中国の社会と文化の変化を考察するものである[韓 2010]。


グローバル化は通常、近代の国家主義に対する新たな動きとされ、「輸送手段やメディアなどの発達によって、人・モノ・資本・情報の流れが地球的規模で進み、その結果もたらされた「時間と空間の圧縮」により、世界各地に密接な相互関連が生じた20世紀末以降の状態または過程」として理解されている[桑山 2002: 54-55]。一方、これは歴史的プロセスであり、大航海時代以来の脱地域化、フラット化として理解する学者もいる[ロバートソン 1997; Friedman 2005]。ハーバード大学の人類学者ワトソンは歴史の視座に立脚しながら「グローバル化は日常生活の体験が地球レベルで標準化される過程である。商品とアイディアの拡散がその特徴である」と指摘している[Watson 2002: 133]。上記のようにグローバル化の現象として標準化、フラット化、脱地域化、脱国家化、脱中心化、クレオール化などさまざまなとらえ方がある。


グローバル化によって世界が均一な文化に覆われているようでありがなら、人々はローカルな環境のなかで、民主、エコ、文化遺産、NGOなどのようなグローバルな概念を再編成しつつ、自分らしさ、地域性、エスニシティ、ナショナリティ、ルーツ、真正性などを意識し、再構築していこうとしている。グローバル化の過程で立ち上がっていく動きをグローカル化という。


グローカル化は、グローバルな視点からマーケットを考えると同時に、ローカルな考え方にも適応させることも視野に入れることを意味し、外国に進出した日本企業の「土着化」概念に由来する。そもそも地方の条件に応じて農耕技術を適応させるという農業の重要な原則であった土着化は日本のビジネス業界に転用され、ローカルな条件に合わせるグローバルな見通しという意味で使われていたが、1980年代後半から90年代初期にかけて、西側の会社は日本企業の土着化の成功例をみて、グローバル・ローカライゼーションと表現するようになり、のちにグローカル化と表現されるようになった[Oxford Dictionary of New Words 1991]。現在、グローカル化は人文社会の分野で「世界化と地方化の同時進行」[ロバートソン 1997: 16]、「均質化と差異化の同時進行」[山下 1996: 23]の意味として使われている。人文社会科学分野に早くからグローカル化の概念を導入したロバートソンは、日本語の「土着化」という語から刺激を受け、世界の同質化と多様化といった知的な衝突の現状を現すためにこの概念を採用した。現在ますます多くの人々がグローバルにかつローカルに考え、かつ行動するようになっており、世界中あちこちで見られている伝統復興、真正性や土着性への関心と追求は、「グローバリゼーションの衝撃に対する反動」であると同時に、「グローバリゼーションによって創出されたもの」でもある[ロバートソン 1997: 15-16]。


本研究は、上記のようなグローバル化とグローカリゼーションの概念を踏まえて、以下の二つの命題を中心として中国にアプローチした。(1)グローバル化の刺激を受けながら、中国化・民族化・地域化・個人化といったさまざまなレベルのローカル化の実態とメカニズムを解明する。(2)グローバル化という「競技場」において、地域的、民族的、中国的なモノ、価値、アイディアなどを発信する可能性とその実態を射程に入れる。


二つの命題を解明するために、グローカル化の時代性と主体性に注目し、さらに歴史の視座からみる中国のグローカル化、政府主導のナショナルとローカル文化の再構築と個人や企業主導の文化実践の三つの問題群を想定して、3年半にわたって徹底的な議論を行った。本論文集には13名が執筆し、上記の三つの問題群にそって、1.歴史の視座からみる中国のグローカル化、2.文化行政からみるナショナル・地域の文化遺産、3.個人や企業主導の文化実践と表象の3部から構成されている。

****************************************

【執筆者紹介】掲載順 *は編者

韓 敏(かん・びん)*
1960年生。
博士(学術)(東京大学)。
国立民族学博物館民族社会研究部教授。
専門は文化人類学、中国研究。中国の社会・文化の変化と持続について調査研究を行っている。
主要業績に『中国社会的家族・民族・国家的話語及其動態―東亜人類学者的理論探索』(Senri Ethnological Studies 90 韓敏・末成道男編、国立民族学博物館、2014年)、『政治人類学:亜洲田野与書写』(阮雲星・韓敏編、浙江大学出版社、2011年)、Tourism and Glocalization---Perspectives on East Asian Societies. (Senri Ethnological Studies 76), National Museum of Ethnology HAN Min and GRABURN Nelson (eds.), 2010、『革命の実践と表象―現代中国への人類学的アプローチ』(編著、風響社、2009年)、『回応革命与改革―皖北李村的社会変遷与延続』(江蘇人民出版社、2007年)、『大地は生きている─中国風水の思想と実践』(聶莉莉・韓敏・曾士才・西澤治彦編著、てらいんく、2000年) など。


井口 淳子(いぐち・じゅんこ)
1961年生。
文学博士(大阪大学)。
大阪音楽大学音楽学部教授。
専門は音楽学、口承文芸研究。中国北方農村(陝西、河北省)、上海、大阪、沖縄を主なフィールドとしている。とくに大阪と上海の近代洋楽史について近年、集中的に資料調査を行っている。
主要な編著書に『上海租界与蘭心大戯院─東西芸術融合交匯的劇場空間』(大橋毅彦ほかと共編、上海人民出版社、2015年)。『中国北方農村の口承文化─語り物の書・テキスト・パフォーマンス』(風響社、1999年)。主要論文に、“Osaka and Shanghai: Revisiting the Reception of Western Music in Metropolitan Japan” In Music, Modernity and Locality in Prewar Japan: Osaka and Beyond. Hugh de Ferranti and Alison Tokita (eds.), Surrey: Ashgate, 2013, 283-299など。


田村 和彦(たむら・かずひこ)
1974年生。
修士(学術)(東京大学)。
福岡大学人文学部東アジア地域言語学科・准教授。
専門は社会人類学、中国、日本研究。現在は、葬儀の改革と死の問題、物質文化と生活再編などについて調査研究を行っている。
主要業績に「文化人類学与民俗学的対話―圍繞『田野工作』展開的討論」周星編『民俗学的歴史、理論与方法』(商務印書館、2006年)、「現代中国における墓碑の普及と『孝子』たち―陝西省中部農村の事例から」小長谷有紀・川口幸大・長沼さやか編『中国における社会主義的近代化』(勉誠出版、2010年)、「従生活話語来看“歴史”記憶―以陝西同治回民起義為例」韓敏・末成道男編『中国社会的家族・民族・国家的話語及其動態─東亜人類学者的理論探索』(Senri Ethnological Studies 90, 2014)など。


高山 陽子(たかやま・ようこ)
1974年生。
博士(学術)(東北大学)。
亜細亜大学国際関係学部准教授。
文化人類学。観光と記念碑の研究。最近は、社会主義のプロパガンダ・アートの土産物化に興味を持つ。
主要業績に「英雄の表象―中国の烈士陵園を中心に」(『地域研究』第14巻第2号、2014年)、「パブリック・アートとしての銅像」(『国際関係紀要』第23巻第1・2合併号、2014年)、「観光がつなぐアジア」片岡樹・シンジルト・山田仁史編『アジアの人類学』(春風社、2013年)、『民族の幻影―中国民族観光の行方』(東北大学出版会、2007年)など。


高  明潔(こう・めいけつ)
1954年生。
愛知大学現代中国学部教授。
内モンゴルを中心とする中国地域社会の社会構造およびマイノリティ事情の研究、多文化共生研究。
主な業績に『北京的少数民族』(共著、北京燕山出版社、1988年)、「内蒙古遊牧地域における妻方居住婚─双系相続社会の一面」(『民族学研究』第60巻4期、1996年)、「内モンゴルはいま─民族区域自治の素顔」(『中国21』vol.19、風媒社、2004年)、「グローバル化の中のモンゴルをどう描くか―内モンゴルの事例研究に基づいて」今西淳子・Demberel Ulziibaatar, Bprjigin Hnsel編『北東アジアの新しい秩序を探る』(風響社,2008年)、「牧畜業文明におけるソルコ制の位置づけ」馬場毅・張琢編『改革・変革と中国文化・社会、民族』(日本評論社、2008年)、「『草原啓示録』における20世紀のモンゴル民族表象」ボルジギンフスレ、今西淳子編『20世紀におけるモンゴル諸族の歴史と文化』(風響社、2012年)など。


謝 茘(しゃ・れい)
1963年生。
博士(学術)(愛知大学)。
法政大学社会学部・教授。
専門は文化人類学、中国漢族研究。最近は、儀礼などの文化変容、無形文化遺産政策、グローカル化などの問題に関心をもって、中国と日本で調査を行っている。
主要業績に「民俗宗教の知識の伝承とその変化にみる漢民族社会─四川地域を例に」(『中国21』Vol.25、愛知大学現代中国学会、2006年)、「転生に関わる表象および儀礼的実践」韓敏編『革命の実践と表象―中国の社会変化と再構築』(風響社、2009年)、「端午節儀式活動伝承主体的社会変化―以中国嘉興市端午民俗文化節与日本相模原市児童節為例」(『文化遺産』2012年03期、中山大学非物質文化遺産中心)など。


長沼 さやか(ながぬま・さやか)
1976年生。
博士(文学)(総合研究大学院大学)。
静岡大学人文社会科学部・准教授。
専門は文化人類学、中国地域研究。中国広東省珠江デルタ地域で、中華人民共和国成立以前に移動生活をしていた水上居民と、古くから村落に定住してきた父系親族集団・宗族との集団間関係に注目しながら、漢族の社会や文化について研究している。
主要業績に『広東の水上居民―珠江デルタ漢族のエスニシティとその変容』(風響社、2010年)、『中国における社会主義的近代化―宗教・消費・エスニシティ』(小長谷有紀・川口幸大と共編、勉誠出版、2010年)、「祖先祭祀と現代中国―水上居民の新たな儀礼の試み」川口幸大・瀬川昌久編『現代中国の宗教―信仰と社会をめぐる民族誌』(昭和堂、2013年)など。


清水 拓野(しみず・たくや)
1971年生。
修士(学術)(東京大学)。
神戸女学院大学・関西学院大学等兼任講師。
専門は教育人類学、中国芸能研究。中国西北地域の伝統演劇教育の近代化や芸能の無形文化遺産化、都市化・観光化について研究している。
主要業績に「市場経済時代の演劇リーダーたちの挑戦─秦腔の振興活動をとおした文化の継承と発展」朱浩東・今井康雄・清水拓野ほか編『教育の情報・協同・共生』(中山出版、2011年)、Attractive Features and Potential Value of the Chinese Traditional Theater School as a Tourist Spot: A Case Study of the Shaanxi Opera in Xi’an City. In Tourism and Glocalization: Perspectives on East Asian Societies. Min HAN and Nelson GRABURN (eds.), Senri Ethnological Studies 76, 2010、「中国の伝統演劇にみる芸能教育の未来像─秦腔の俳優教育の『素質』に注目して」朱浩東編『人間形成の課題と教育─論集』(三一書房、2007年)、「中国伝統演劇の教授・学習過程の教育人類学的研究─秦腔演劇学校の“口伝心授”実践に注目して」『演劇映像学:演劇博物館グローバルCOE紀要』(早稲田大学演劇博物館、2012年)、「現代中国の『科班』の特徴と展開─陝西地方の三つの民営演劇学校の考察」(『中国21』Vol. 33、愛知大学現代中国学会、2010年)など。


塚田 誠之(つかだ・しげゆき)
1952年生。
博士(文学)(北海道大学)。
国立民族学博物館研究戦略センター教授。
専門は歴史民族学、中国研究。現在は、中国のチワン(壮)族の歴史や文化の資源化について調査研究を行っている。
主要業績に『壮族社会史研究─明清時代を中心として』(国立民族学博物館、2000年)、『壮族文化史研究─明代以降を中心として』(第一書房、2000年)、『中国国境地域の移動と交流─近現代中国の南と北』(編著、有志舎、2010年)、『中国の民族文化資源─南部地域の分析から』(武内房司と共編、風響社、2014年)など。


周 星(しゅう・せい)
1957年生。
博士(民族学)(中国社会科学院大学院)。
愛知大学国際中国学研究センター・教授。
専門は中国文化人類学・民俗学研究。現在は、都市の住生活、都市の広場ダンス、漢服復興運動などについて研究を行っている。
主要業績に『民族学新論』(陝西人民出版社、1992年)、『民族政治学』(中国社会科学出版社、1993年)、『境界與象徴─橋和民俗』(上海文芸出版社、1998年)、『郷土生活的邏輯─人類学視野中的民俗研究』(北京大学出版社、2011年)、『民俗学的歴史、理論与方法』(共編著、商務印書館、2008年)、『国家與民俗』(編著、中国社会科学出版社、2011年)、『中国芸術人類学基礎読本』(編著、学苑出版社、2011年)など。


何 彬(か・ひん)
1956年生。
文学博士(北京師範大学)、歴史民俗資料学博士(神奈川大学)。
首都大学東京都市教養学部教授。
民俗学、東アジア研究、漢族研究。年中行事・祖先祭祀・日中の食文化について調査を行っている。
主要業績に『中国東南地域の民俗誌的研究』(日本僑報社、2013年)、『(中国)江浙漢族の喪葬文化』(中央民族大学出版社、1995年)、「儀礼食・節句食のシンボリズムとアイデンティティ」『東アジアにみる食とこころ』(国学院大学日本文化研究所編、2004年)、「無形文化遺産の保護と研究―民俗学者としての一思考」(『第7回学術大会論文集』国際アジア民俗学会、2004年)、「シャーマンと他界観―漢族における神・霊・人交流の特徴と役割」(『人文学報』第341号、東京都立大学人文学部、2003年)など。


川口 幸大(かわぐち・ゆきひろ)
1975年生まれ。
博士(文学)(東北大学)。
東北大学大学院文学研究科・准教授。
専門は文化人類学。主な研究テーマは、中国における親族、宗教、移動。
主要業績に『東南中国における伝統のポリティクス―珠江デルタ村落社会の死者儀礼・神祇祭祀・宗族組織』(風響社、2013年)、『現代中国の宗教―信仰と社会をめぐる民族誌』(共編著、昭和堂、2013年)、『中国における社会主義的近代化―宗教・消費・エスニシティ』(共編著、勉誠出版、2010年)など。


清水 享(しみず・とおる)
1967年生まれ。
博士(文学)(日本大学)。
日本大学・明治大学・東京農業大学・講師。
中国西南地方非漢族の歴史・社会・文化研究。特に近代における四川省涼山彝族の文化変容や社会変化について研究を行なう。中国西南地方および東南アジア大陸部の生態環境史へも関心をもつ。
主要業績に「従墓碑資料来看涼山彝族土司阿都氏初探」彝族古文献與伝統医薬開発国際学術研討会組委編『彝族古文献與伝統医薬開発国際学術研討会論文集』(雲南民族出版社、2002年)、「大陸中国・イ族─涼山地方を中心に」末成道男・曽士才編『講座ファーストピープルズ─世界先住民の現在 第一巻 東アジア』(明石書店、2005年)、「碑文が語る生態史─地域住民からみた生態環境の変化」秋道智弥編『モンスーンアジアの生態史 第2巻 地域の生態史』(立石謙次と共著、弘文堂、2008年)、『台湾中央研究院傅斯年図書館蔵彝(儸儸)文書解題』(編著、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2013年)など。

 

このページのトップへ