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日本・モンゴル関係の近現代を探る

国際関係・文化交流・教育問題を中心に

日本・モンゴル関係の近現代を探る

3回の「日本・モンゴル青年フォーラム」の成果。複雑な北東アジアの中で、日本・モンゴル関係の過去と今後を展望する貴重な論集。

著者 ボルジギン フスレ
ジャンル 歴史・考古
報告書・報告論集
シリーズ アジア研究報告シリーズ
出版年月日 2015/08/20
ISBN 9784894898066
判型・ページ数 A5・204ページ
定価 本体2,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

まえがき (ボルジギン・フスレ)

挨拶 (昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子)

第3回日本・モンゴル青年フォーラムへのメッセージ(一橋大学名誉教授 田中克彦)

挨拶 (在モンゴル日本大使館参事官 林伸一郎)


モンゴル国の国連加盟(G. ミャグマルサムボー)

 はじめに
 1 モンゴルの国連加盟
 2 国連における活動 
 おわりに

モンゴルの国連加盟における台湾政権の対応(ボルジギン・フスレ)

 はじめに
 1 国連加盟の試み(1946〜48年)
 2 モンゴルの国連加盟をめぐる台湾政権の攻防
 3 1961年のモンゴルの国連加盟と台湾政権の対応
 おわりに

1910年代フルンボイル地域における日本人社会(ソルヤー)

 はじめに
 1 外モンゴル革命前後フルンボイル地域における日本人の活動
 2 ロシア革命以降のフルンボイル地域における日本人社会
 おわりに

1925年の満鉄外モンゴル調査隊拘束事件とモンゴル人民共和国(青木雅浩)

 はじめに
 1 1925年の満鉄外モンゴル調査隊拘束事件について
 2 本事件に対するモンゴル人民共和国の姿勢
 おわりに

日本人の対モンゴル観,モンゴル人の対日本観:調査データからの検討(湊 邦生)

 はじめに
 1 日本人の対モンゴル観
 2 モンゴル人の対日本観
 おわりに

20世紀初期における日本とモンゴルの文化交流:ロブサンチョイドンを事例に(シバウチン・チョロモン)

 はじめに
 1 日本におけるモンゴル語教育の必要性と背景
 2 東京外語初代モンゴル人教師ロブサンチョイドン
 おわりに

現代モンゴル人の外国人観の一考察:B.リンチェン『曙光』を題材として(池部尊則)

 はじめに
 1 なぜ『曙光』か?
 2 内容の検討
 3 現代モンゴル人の外国人観の形成
 おわりに

モンゴルをめぐる日本と中国の外交戦略:ポスト冷戦時代を中心に(泉田浩子)

 はじめに
 1 モンゴルの外交政策の変化
 2 日本とモンゴルの関係
 3 中国とモンゴルの関係
 4 文化外交:日中のソフト・パワー
 5 政治外交
 6 経済外交
 おわりに

1990年代前期モンゴルにおける歴史教育実践:O教師のライフヒストリーにみる教師観・歴史観の形成(髙橋 梢)

 はじめに
 1 分析の枠組み
 2 O教師のライフヒストリー
 3 分析的考察
 おわりに

モンゴルの教員養成課程への授業研究関連科目導入の意義(ノルジン・ドラムジャブ)

 はじめに
 1 モンゴルにおける教育政策の展開
 2 社会体制変化後の教育改革
 3 JICA指導法改善プロジェクト
 4 教員養成課程における授業研究の組織的導入の必要性
 おわりに

日本とモンゴルにおける,教育の国際化に関する考察(井場麻美)

 はじめに
 1 国際カリキュラムとは
 2 日本における国際バカロレア
 3 日本における国際バカロレアに関する取り組み
 4 モンゴルにおけるケンブリッジスタンダード
 おわりに

内モンゴル東部地域における教育の一考察:ホルチン左翼後旗を中心として(ボヤント)

 はじめに
 1 歴史的・政治的背景
 2 一中における「民族分裂集団」案件のプロセス
 おわりに

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内容説明

3回の「日本・モンゴル青年フォーラム」からフレッシュな論考を結集。複雑な北東アジアで、日本とモンゴルの関係はどのように構築され、今後どのように構築していくべきか、近代以降の日モ関係を中心に若手の研究成果をとりまとめた論文集である。

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まえがき

ボルジギン・フスレ
(Husel Borjigin)


 2007年からわたくしが企画し,2008年に正式にはじまったウランバートル国際シンポジウムは,日本とモンゴル,あるいは北東アジア諸国の政治・経済・軍事・文化とかかわる課題をテーマとして,これまで10回もの回を重ねてきた。その間,参加者から,若手研究者に研究発表や交流の場を提供してほしいという要望が寄せられた。その期待に応えるべく,日本とモンゴルの国交樹立40周年を迎えた年に第1回日本モンゴル青年フォーラム「新世紀を迎えた日本とモンゴル」を企画し,在モンゴル日本大使館,モンゴル・日本人材開発センターの後援,および公益財団法人三菱UFJ国際財団とかめのり財団の助成を得て,2012年8月にウランバートルで開催した。幸いにも,それに続くものとして,公益財団法人東芝国際交流財団の助成金を得て,2013年9月に第2回日本・モンゴル青年フォーラム「東アジアの秩序の再編における日本とモンゴル」,さらに2014年8月に第3回日本・モンゴル青年フォーラム「日本とモンゴル:過去から未来へ」をウランバートルで開催することができた。
フォーラムの開催期間中,参加者は研究発表をおこなったほかに,日本人抑留死亡者記念碑やダンムバダルジャー寺の日本人死亡者慰霊堂,および日本政府の支援で建設された「太陽橋(日本橋)」などの施設も訪れ,両国友好関係への理解も促進された。また,フォーラムについて,『ウデリーン・ソニン(日報)』や『モンゴル通信』,『昭和学報』,CTVなど,日モ両国の新聞社,テレビ局10数社による報道がされた。

 3回の青年フォーラムで,日本,モンゴルだけではなく,中国,韓国等の国々の若手研究者も加え,計60本の論文が報告された。主に北東アジア社会の複雑な状況を視野に入れながら,日本とモンゴル両国の関係はどのようなプロセスをへて構築されたか,これからどのように構築していくべきかなどをめぐって,特色ある議論が持続的に展開されてきている。

 本書は,3回のフォーラムで報告された60本の論文から10本を選び,さらに2014年12月に東京外国語大学でおこなわれたワークショップ「日本・モンゴルの国連加盟と国際関係」で報告された2本の論文も加え,中堅・若手研究者による近代以降の日モ関係についての研究成果をとりまとめた論文集である。刊行にさいしては,第3回フォーラムの開会式で挨拶してくださった昭和女子大学理事長・学長坂東眞理子先生,一橋大学名誉教授田中克彦先生,在モンゴル日本大使館参事官林伸一郎氏のご挨拶文を収録させていただいた。

 本書は,それぞれの執筆者が,分析の角度や専門分野がことなりつつも,フォーラムの趣旨のひとつである「日モの相互理解」という課題に答えようと努力を傾けたものである。それぞれの論文は執筆者の流儀にしたがったため,表記の不統一などの問題点があるが,ご容赦いただければ幸いである。

 日本において,数ある公益財団の中で,日モにおける学術交流,とりわけ日モ青年交流を助成対象とする財団は極めて少ない。2011年の東日本大震災・原発事故の影響も重なって,フォーラム開催のための資金調達は非常に厳しいものだった。それだけに,このような状況のなかでの3回にわたる日本・モンゴル青年フォーラムの開催に対して,公益財団法人東芝国際交流財団をはじめとする,日本の民間財団のご支援は誠に得がたく,貴いものである。

 青年フォーラムの開催をささえてくださった坂東眞理子先生をはじめ,モンゴル国立教育大学学長D. ムフジャルガル(D. Munkhjargal)氏,同大学国際交流部長N.ドラムジャブ(N. Dulamjav)氏,モンゴル国立大学理事・国際言語文化学部長S. バトトルガ(S. Battulga)氏,モンゴル科学アカデミー国際研究所副所長D. シュルフー(D. Shurkhuu)氏などの方々,そして,在モンゴル日本大使館,モンゴル日本人材開発センターの方々にはたいへんお世話になった。また,各回の青年フォーラムの開会式で,モンゴル科学アカデミー会員・国際モンゴル学会事務局長D.トゥムルトゴー(D. Tumurtogoo)氏,モンゴル国外務省政策企画研究局長(現駐キューバモンゴル大使)・モンゴル日本学会会長Ts. バトバヤル(Ts. Batbayar)氏,田中克彦先生,林伸一郎氏が,挨拶あるいは祝辞を述べてくださった。この場を借りて,上記の方々,団体,財団からのご支援・ご協力にあらためて感謝申しあげたい。さらに,一部の助成金申請において推薦状を書いて下さった桜美林大学教授中村雅子先生,論文集の一部の翻訳を担当してくださった三矢緑氏,出版をお引き受けくださり格別なご配慮をくださった風響社の石井雅社長に心よりお礼を申しあげたい。

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編者紹介
ボルジギン・フスレ(Husel Borjigin)
1989年北京大学哲学部卒。2006年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了、博士(学術)。
現在、昭和女子大学人間文化学部国際学科准教授。
主な業績:『中国共産党・国民党の対内モンゴル政策(1945〜49年)――民族主義運動と国家建設との相克』(風響社、2011年)、共編著『20世紀におけるモンゴル諸族の歴史と文化――2011年ウランバートル国際シンポジウム報告論文集』(風響社、2012年)他。


執筆者紹介(掲載順)

坂東眞理子(Bando Mariko)
昭和女子大学理事長・学長・教授

田中克彦(Tanaka Katsuhiko)
一橋大学名誉教授

林伸一郎(Hayashi Shinichirou)
在モンゴル日本大使館参事官

G. ミャグマルサムボー(G. Myagmarsambuu)
モンゴル科学アカデミー歴史・考古学研究所教授

ボルジギン・フスレ(Husel Borjigin)
昭和女子大学人間文化学部国際学科准教授

ソルヤー(索麗婭,Suruy-a)
東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程

青木雅浩(Masahiro Aoki)
早稲田大学文学学術院助教

湊 邦生(Kunio Minato)
高知大学教育研究部総合科学系地域協働教育学部門准教授

シバウチン・チョロモン(Shubuuchin Cholmon)
桐蔭横浜大学大学院法学研究科

池部尊則(Takanori Ikebe)
在モンゴル日本大使館専門調査員

泉田浩子(Hiroko Izumita)
昭和女子大学人間文化学部国際学科学生

髙橋 梢(Kozue Takahashi)
東京外国語大学大学院・日本学術振興会特別研究員

ノルジン・ドラムジャブ(Norjin. Dulamjav)
モンゴル国立教育大学国際交流部長

井場麻美(Asami Iba)
東北大学大学院教育学研究科教育設計評価専攻博士前期課程

ボヤント(Sedorjiin Buyant)
桐蔭横浜大学大学院法学研究科

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