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ジャイナ教とは何か 49 新刊 これから出る本

菜食・托鉢・断食の生命観

ジャイナ教とは何か

ヒンドゥー教・仏教と並ぶインドの伝統的宗教。知られざる教義と歴史、出家と在家の実践、その独自の生命観を食生活から紹介。

著者 上田 真啓
ジャンル 民俗・宗教
シリーズ ブックレット《アジアを学ぼう》
出版年月日 2017/12/15
ISBN 9784894897984
判型・ページ数 A5・54ページ
定価 本体700円+税
在庫 未刊・予約受付中
 

目次

はじめに

一 ジャイナ教とは何か

 1 現在における分布
 2 少ない人口・高い識字率
 3 ジャイナ教とは何か
 4 ジャイナ教は「ヒンドゥー」か
 5 ジャイナ教に神様はいるのか
 6 仏教との共通点――沙門の文化

二 マハーヴィーラ

 1 ティールタンカラの存在
 2 マハーヴィーラの生涯
 3 マハーヴィーラの教え
 4 ジャイナ教の聖典

三 教団の歴史と体系

 1 空衣派と白衣派
 2 両派の分裂
 3 両派の違い
 4 在家と出家
 5 大誓戒と小誓戒

四 出家とは――出家修行者の特徴

 1 なぜ出家するのか――輪廻と業の理論
 2 出家の儀式
 3 不殺生の実践
 4 出家修行者の持ち物
 5 遊行
 6 禁欲

五 出家修行者の食生活

 1 ジャイナ教の生物観――菜食主義の背景
 2 托鉢
 3 托鉢における不殺生
 4 托鉢の偶発性
 5 施主との関係
 6 食事に対する姿勢
 7 断食と断食死
 8 原則と例外

六 在家信者の生活

 1 一二の誓い
 2 施しを行うこと
 3 プージャー(礼拝)

七 在家信者の食

 1 そこから生命体が発生するか
 2 食べられるべきではないものリスト
 3 インドの中のジャイナ教

八 まとめ

注・参考文献
あとがき

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内容説明

虫も殺さぬ宗教、その真実に迫る
ヒンドゥー教・仏教と並ぶインドの伝統的宗教。知られざる教義と歴史、出家と在家の実践、そしてその独自の生命観を食生活を通して紹介。

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 ……ジャイナ教の人口は、インドの全人口に比べて非常に少数であり(〇・四%)インドの総人口が一二億人としてもわずか四五〇万人ほどである(表2)。これだけの少数派でありながら、グジャラート州を訪れる数少ない日本人は必ずといっていいほど一人はジャイナ教徒を知っているという。この理由の一つは、先ほども触れたとおり、グジャラート州自体が抱えるジャイナ教徒の数の多さである。しかしそれだけではなく、ジャイナ教徒のうちのかなりの割合がビジネスや学問の世界で活躍しているからと考えることもできるだろう。事実、ジャイナ教徒、とくに女性の識字率や学歴は、インドの中ではとくに抜きん出ているといわれている。それがジャイナ教という宗教の特徴に起因する事柄だとすれば、ジャイナ教とはいったいどんな宗教だろうか。

3 ジャイナ教とは何か

 「ジャイナ教とは何か」この問いにひと言で答えるとするならば、「ジャイナ教とは、ジナの教えである」ということができるし、また、「ジャイナ教徒とはジナの教えに従って生きる人々のことである」ということができる。
しかしながら、ジナの生涯やその教えの内容は、時代によっても、地域によっても、あるいは後に述べるような二大宗派や、その分派ごとによっても様々であることが多く、そのために、ジャイナ教に関する様々な事柄について、「ジャイナ教では……」と一括りにして語ることが難しいのが現状である。

 ここでは、まずはじめに、インドの宗教におけるジャイナ教の立場(主にヒンドゥー教徒との関係において)を確認した上で、ジャイナ教のもっとも基本的な要素である、ジナの生涯と彼の教え、そしてそれを伝える媒体としての経典、さらにはジナの没後に生じた二大宗派について、一般的に認められている事柄を簡潔に紹介していくこととしたい。……

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著者紹介
上田真啓(うえだ まさひろ)
1980年生まれ。
京都大学大学院文学研究科(インド古典学)博士後期課程指導認定退学。
現在、京都大学文学部非常勤講師。
これまでの論文には「ジャイナ教の他学派批判―不殺生をめぐる議論について」(『印度学仏教学研究』第59巻第1号、日本印度学仏教学会、2010)“Nikṣepa in Tattvārthādhigamasūtra: A Method for the investigation of words” (『印度学仏教学研究』第60巻第3号、日本印度学仏教学会、2012)などがある。

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