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家族・民族・国家

東アジアの人類学的アプローチ

家族・民族・国家

家族の言説と実態、「民族」構築の理論的系譜、国家・社会関係のパラダイムの3方向から動態を見据え、新たな分析枠組みを提示。

著者 韓 敏
ジャンル 人類学
文化遺産・観光・建築
シリーズ 人類学集刊
出版年月日 2019/03/30
ISBN 9784894892637
判型・ページ数 A5・420ページ
定価 本体5,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序文 中国文化における家族・民族・国家のパラダイム(韓 敏)
 一 人類学と歴史学の視点からみる東アジアの家族
 二 民族のディスコースと文化のフロー
 三 国家と社会のパラダイム 
 結論
 
●第一部 人類学と歴史学の視点からみる東アジアの家族
 
第一章 中華漢族の家族と家――東アジアの人類学的調査から見えるもの(末成道男)
 はじめに
 一 東アジア四社会の家
 二 家に関する中華モデルと周辺モデル
 三 方法論についての考察
 
第二章 中国の宗族と家族千年史――江西省と広東省の事例から(賀 喜、デビッド・フォール/横田浩一訳)
 はじめに
 一 江西省吉安
 二 広東省広州
 結論
 
第三章 日本統治時代における台湾郷紳宗族の婚姻モデルと婚姻圏――新竹北埔の姜氏宗族を事例に(荘英章/星野麗子訳)
 はじめに
 一 北埔姜氏宗族の台湾移住とその発展
 二 北埔姜一族の嘗会組織と祭祀圏
 三  姜氏一族の婚姻モデルと婚姻圏
 結論
 
第四章 文化の持続性、民族の融合とグローバルの視点から見る中国の家族(麻国慶/舒亦庭訳)
 はじめに
 一 家族――文化と社会の継続性を担うキャリア
 二 家族と民族の関連性
 三 トランスナショナルなネットワークとグローバル化の背景にある家族
 結論
 
●第二部 民族のディスコースと文化のフロー
 
第五章 漢文化の周辺異民族への「生/熟」分類(周 星/宮脇千絵訳)
 はじめに
 一 「五方之民」の中の「天下」構造
 二 「文化英雄」の記憶について
 三 正史に記載されている異民族の「生/熟」分類
 四 民族「生/熟」論
 結論
 
第六章 モンゴル民族のシャーマン文化の伝承および保護に関して(色 音/白福音訳)
 はじめに
 一 モンゴル民族におけるシャーマニズムの形成及び発展
 二 モンゴル族シャーマン文化の歴史伝承
 三 シャーマン文化の保護
 結論
 
第七章 北タイ雲南華人の家族、教育と民族的アイデンティティ(黃樹民/湯紹玲訳)
 はじめに
 一 北タイの華人ディアスポラのコミュニティの形成
 二 タイのディアスポラに関する研究テーマ
 三 研究方法
 四 メーホン村
 五 北タイ雲南華僑の変化と存続
 結論
 
第八章 中国少数民族教育とカナダ先住民教育の比較(彭雪芳/宮脇千絵訳)
 はじめに
 一 カナダ先住民と非先住民の教育格差
 二 カナダの先住民教育発展の歴史的過程
 三 中国少数民族教育の発展と歴史過程の概略
 四 中国少数民族の教育現状――西部地区を例に
 五 中国とカナダにおける民族教育の共通点と相違点
 六 民族文化伝承の重要な手段としての学校教育
 結論
 
第九章 ベトナム客家の神祇祭祀と景観建設――ホーチミンの観音閣を事例として(河合洋尚・呉雲霞)
 はじめに
 一 ベトナム客家の概況
 二 ホーチミンにおける「客家聖地」の創造
 結論
 
●第三部 国家と社会のパラダイム
 
第一〇章 国家・社会の関係から文化の政治学を考察する――中国における人類学的研究の概観(金光億/奈良雅史訳)
 はじめに 
 一 国家と社会の関係
 二 中国研究における国家と社会
 三 現代中国における宗族研究の国家―社会モデル
 結論
 
第一一章 清代台湾におけるエスニシティと郷紳エリート
       ――一八〇三年の孔子廟再建を事例として(マイロン・コーエン〈Myron L. Cohen〉/河合洋尚訳)
 はじめに
 一 孔子廟の石碑にみるエスニック・グループ間の葛藤
 二 客家の寄付者リストにみる祖先
 三 祖先祭祀集団からの寄付
 四 客家の祖先祭祀集団
 五 客家―福佬間の対立
 六 客家の石碑と福佬の石碑の比較
 結論
 
第一二章 文字と権威――中国の公共的社会空間における毛沢東題字の可視化(韓 敏)
 はじめに
 一 題字へのアプローチ
 二 公共的空間における毛沢東題字の出現
 三 毛沢東題字の分類
 四  現代中国における毛題字の存続とその意味の変化
 結論
 
第一三章 「蜂の巣型社会」――中国の経済と社会の構造転換を観察する新概念(張継焦/林茉莉訳)
 はじめに
 一 研究の仮説、理論的根拠および実証材料の出処
 二 理論的根拠と基本的な考え方
 三 「蜂の巣型社会」の構造と機能
 四 結論
 
第一四章 費孝通「差序格局」(『郷土中国』)精読の記録(佐々木 衞)
 一 はじめに
 二 『郷土中国』の社会学的パースペクティブと本稿の目的
 三 翻訳上の問題
 四 結論
 追補──精読の試み(末尾注記参照)
 
編者あとがき

索引

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内容説明

21世紀の中国研究に新たな視座を提示
ダイナミックな転換期に立ちつづける中国。本書は、家族のディスコースとその実態、「民族」構築の理論的系譜、国家・社会関係のパラダイムという3方向からその動態を見据え、新たな分析枠組みを提示。日・中・韓・米、台湾、香港の人類学者による民博共同研究の成果。

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序文 中国文化における家族・民族・国家のパラダイム

韓 敏





 本書は国立民族学博物館(以下民博)の機関研究「中国における家族・民族・国家のディスコース」(代表:韓敏、二〇一二年四月―二〇一五年三月)の研究成果である。本書の目的は、日本、中国、台湾、香港、韓国、アメリカの人類学者による国際共同研究を通して、中国社会における家族のディスコースとその実態、「民族」構築の理論的系譜、および国家・社会関係のパラダイムを明らかにすることである。家族・民族・国家は人類の普遍的現象であり、人間社会を構成する基本的な仕組みである。中国の場合、これらの概念は、中国の社会と文化の連続性と非連続性を作りだす重要な要素でもあり、複合的社会関係を生み出す仕組みとして機能してきた。本書は家族・民族・国家のディスコースを考察し、中国社会の構造と動態を明らかにするための有効な理論的枠組みを提示しようとする[韓 二〇一二a、二〇一二b、二〇一三、二〇一四]。

 「中国における家族・民族・国家のディスコース」の研究プロジェクトは、二〇一二年四月にスタートした。国際共同研究を推進するという当時の須藤健一館長と国際交流室担当の佐々木史郎副館長の方針の下に、民博と中国社会科学院民族学・人類学研究所が、二〇一二年八月に平等互恵と相互尊重の理念のもとに学術協定を締結し、研究プロジェクトの展開と研究者の交流を推進していくことを約束した。三年間にわたって、中国社会科学院民族学・人類学研究所と連携して、中国、香港、台湾、韓国、アメリカの研究者を招き、広範な国際共同研究を進めてきた。二〇一二年(民博)、二〇一三年(北京)、二〇一四年(民博)合計三回の国際シンポジウムを実施した。その間、六四本の研究発表が行われ、三三四名の研究者が参加した。私たちは三年間の研究成果の一部をすでに中国語論文集二冊と英語論文集一冊として刊行している[韓・末成 二〇一四、 HAN, KAWAI and WONG 2017、韓・色音 二〇一八]。このような海外の研究者及び研究機関との共同研究を通して、東アジア研究者の連携を強化するとともにアジアからの発信に努めた。

 中国の歴史のなかで育まれてきた家・家族・国・民族・国家などの概念および制度は、複合的社会関係を生み出す仕組みとして機能してきた。また、中国の歴史を貫き、社会構造の連続性と非連続性を作りだす重要な要素でもある。近代の国民国家の成立、社会主義的近代化の実施、及びグローバル化が進む近年、これらの概念および制度は移動、市場経済、教育、文化遺産などにおいて、人びとの関係や行動パターンを規制するディスコースとして再編される局面をむかえている。その意味で、本書は日本、中国、台湾、香港、韓国、アメリカの人類学者による国際共同研究を通して、中国の家族・民族・国家の概念及びその動態を明らかにした最新研究成果であるといえる。

 本書は、一六名の人類学、歴史学と社会学の研究者によって執筆され、三部から構成されている。第一部は、歴史学と人類学からみる東アジアの家族、第二部は民族のディスコースと文化のフロー、第三部は、国家と社会のパラダイムという構成である。

  一 人類学と歴史学の視点からみる東アジアの家族

 家族は、人類学にとってもっとも重要な課題の一つであり、また、東アジアにおいてもっとも蓄積のある研究分野である。本書は、東アジアにおける家族の概念、機能の比較、宋代における宗族の成り立ち、漢族の婚姻パターン、家族の視点からみる漢族と少数民族の関連性を、歴史学と人類学の視点から考察し、いくつかの挑戦的な理論的枠組みを提示した。

1 概念、実態と階層性

 東アジアの漢字文化圏にある日本、中国、韓国、ベトナム、この四つの社会はそれぞれ「家」という同じ漢字を用いているが、国によって、「家」の機能やそこに住む人びとの関係性などが違ってくる。また、「家」という言葉により抽象的な意味をもたせている場合も少なくない。さらに、屋敷は、単独あるいは複数の家を配置した物理的空間を示し、時には社会的な意味をもつ場合もある。末成道男は、高度経済成長の直前にある四つの社会にあるローカルな概念である「家」 について、人類学的な調査をもとに、中国の「家(ジャー)」と、日本の「家(イエ)」、韓国の「家(チプ)」、ベトナムの「家(ニャー)」を比較し、「家」という同じ漢字を使うそれぞれの社会組織の概念、実態と機能を分析した。日本のイエが、居住だけでなく、生計、家産、家業、子どもの生育、老人扶養、祖先祭祀を共にする多機能集団であるのに対し、漢族のジャーはそれぞれの機能ごとに範囲を異にする多層性をもった集団ないし関係の総称であると言える。ベトナムの場合は、ニャーのうちに中国を上回る多層性をかかえる。また、中部地域においては、一九七五年まで、村が定期的に行う公田の割換えはニャー単位でなされていたが、その基礎は人丁(成年男子の人数)であってニャーが自律的永続性をもった社会単位とは言えない。韓国のチプは、中国やベトナムと比べれば、家名をもち長男継承に伴う永続性と独立性が顕著であるが、それらは、居住にもとづくものと言うよりは、父系血縁関係を基盤としている。したがって、日本以外の事例は、部分的な類似要素はあっても、日本的な家社会とは認められないと末成は指摘した。社会を構成する基本的要素である家を比較し、モデル化する場合、エミックとエティック双方の視点への配慮や、家のあり方とその社会や文化のあり方の関連性、ミクロの視点から普遍性を抽出する工夫などの重要性が議論された。

 上述の東アジアの家族を比較した巨視的、構造的機能主義的な枠組みに対し、荘英章は、一九〇六年から一九四五年の間に作成された民間古文書、族譜および戸籍資料などを手かかりに台湾北埔姜氏一族の男女婚姻のケースを分析し、婚姻圏と祭祀圏との関係性を解明した。漢人社会の婚姻パターンに関して、岡田謙[一九三八]による信仰圏は、婚姻圏と市場圏と重なる部分が多いという学説が有名である。荘は、文人宗族である北埔姜氏一族の婚姻圏は岡田謙の仮説を実証したものであり、祭祀圏と婚姻圏もまた相互に重なりあうと指摘した一方、文人宗族は、基本的に儒家倫理に適合する「エリートモデル」をとり、その婚姻圏は、決して祭祀圏と一致するのではなく、彼らの商業的と官僚的システムとのつながりにより、一般の人々の祭祀ネットワークに比べ、婚姻相手に対する選択を重視していると結論した。

 一方、麻国慶は、中国文化の持続性における家族の果たした役割、漢族と少数民族の家族の関連性を取り上げた。彼は、費孝通[一九八三]の扶養関係の「フィードバック論」や、マックス・ウェーバーが『儒教と道教』[一九七一]の中で触れた祖先崇拝の役割をふまえたうえで、父子関係を中心とする「家」は中国の文化と社会の継続性を担う重要な媒体の一つであると指摘した。また、これまでに、漢族と少数民族の、それぞれのカテゴリーの中で研究されがちであった家族について、「中華民族多元一体」の枠組みを生かし、家族の制度をめぐる民族間の影響を見直すべきという新しい研究視点が提示された。漢族との親縁関係及び融合を通して、少数民族社会は、漢族の社会や文化的要素を蓄積している。中には漢族社会にすでに見られなくなった要素さえ見出すことができる。筆者の調査したトゥメトモンゴル族や、「南嶺民族走廊」 のミャオ族、ヤオ族、チワン族、トン族、シェ族等に見られる父系宗族がこれに該当する。少数民族地域の家族研究は、単なるエスニシティの理論とその分析にこだわることなく、漢族との交流から発生した歴史的過程や地理上のつながりから総合的に把握する必要がある。

2 歴史の過程からみる家族と宗族

 歴史学者や人類学者たちは、宗族を南部中国に特有の制度であるとみなしてきた[Freedman 1958, 1966]。デビッド・フォールは広東省珠江デルタ地域の調査を通して、宗族の制度が一六世紀にこの地域に流入し、そして一七世紀から一八世紀ころ地域全体へ普及したことを明らかにした[Faure 2007]。歴史学者は、一〇世紀、北宋時代の宗族実践に対する初期の証明を議論しているが[Ebrey 1984, 1989; Bol 2003a, 2003b]、宗族がどの場所でどのように広がり、そこからどのように他の場所に移植されたのかという疑問を残した。その意味で本書において、賀喜とデビッド・フォールの論文は、北宋から清末まで、江西省と広東省の事例にもとづき、宗族の形成及びその移植について、石碑、族譜などの文字資料と現地調査を通して、検討した意欲的な研究である。

 早期の宗族が発展した場所は江西省、とりわけ宋王朝の学者で官僚でもある欧陽脩(一〇〇七―一〇七二)の故郷である吉安周辺であり、広東省、特に珠江デルタ地域の宗族の多くはその後現れた。欧陽脩は族譜編纂のフォーマット(「欧陽式図譜」)を考案した。宗族の制度は、宋朝において族譜が存在していたという前提をもとに思想として現れ、のちに清朝によって財産を保持する確固たる形として具体化し、多くの宗族が設立された。族譜は帝国期の法規として規定されるだけではなく、儀礼の変化という文脈において理解しなければならない。宗族は、亡くなった祖先が存在しそれを供養するという前提のもとで、書かれた族譜、墓、祖先の肖像、位牌、祠堂と廟といった形式により支えられていた。モーリス・フリードマン[一九五八、一九六六]などの中国研究者たちは、財産を保有する際の手段として宗族をみなす傾向にあるが、賀喜とフォールは、帝国の歴史における最後の千年の宗族は、本質的には儀礼的・法的な概念であったことを提示してくれた。

  二 民族のディスコースと文化のフロー

 ユーラシア大陸の東端に位置し、太平洋に面している中国は、古代から多数のエスニック・グループの移動と融合の過程において、複雑な多民族の社会が形成され、「人」「族類」「蛮」「夷」「戎」「狄」「種人」「夏」「夏華」などの分類と概念が存在していた。よって、近代の国民国家における民族を語る場合、歴史的な視点が不可欠である。


(後略)
 
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編者紹介

韓 敏(HAN Min かん びん)
1960年生まれ。
1993年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(人類学)。
専攻は文化人類学、中国及び東アジア地域研究。
現在、国立民族学博物館超域フィールド科学研究部長、教授、総合研究大学院大学文化科学研究科教授。
単著として、『大地の民に学ぶ――激動する故郷、中国』(臨川書店、2015年)、『回応革命与改革――皖北李村的社会変遷与延続』(江蘇人民出版社、2007年)。主編著として『人類学視野下的歴史、文化与博物館――当代日本和中国人類学者的理論実践』(国立民族学博物館、2018年、共編)、Family, Ethnicity and State in Chinese Culture Under the Impact of Globalization.(Bridge21 Publications、2017、共編)、『中国社会における文化変容の諸相――グローカル化の視点から』(風響社、2015年)、『政治人類学――亜洲田野与書写』(浙江大学出版社、2011年、共編)、Tourism and Glocalization―Perspectives on East Asian Societies (National Museum of Ethnology、2010年)、『近代社会における指導者崇拝の諸相』(国立民族学博物館、2015年)、『革命の実践と表象――現代中国への人類学的アプローチ』(風響社、2009年)など。


執筆者紹介(掲載順)

末成道男(SUENARI  Michio すえなり みちお)
1938年生まれ。
1971年東京大学文化人類学博士課程修了、社会学博士。
専攻は、社会人類学、東アジア社会の比較研究
主著作として、『台湾アミ族の社会組織と変化』(東京大学出版会、1984年)、『中国文化人類学文献解題』(東京大学出版会 1995年)、『ベトナムの祖先祭祀』(風響社、1998年)、『中原と周辺――人類学的フィールドからの視点』(風響社、1999年)、『中国社会的家族・民族・国家的話語及其動態――東亜人類学者的理論探索』(国立民族学博物館、2014年、共編)など。

賀 喜(HE Xi がき)
2007年香港中文大学博士学位(人類学)取得。
専攻:中国社会の歴史人類学、江西省や海南省地域の宗族研究。
現在、香港中文大学助理教授。
主論文として、A Millennium in the History of Lineage(Zongzu and Jiazu)in China:As Seen in Jiangxi and Guangdong、Family, Ethnicity and State in Chinese Culture Under the Impact of Globalization(Bridge21 Publications、2017、共著)、「従黎人到黎族――海南五指山民族志的再認識」『北京大学学報(哲学社会科学版)2018, 55(5): 150-160など。

デビッド・フォール(David FAURE)
1947年生まれ。
1976年プリンストン大学社会学博士学位取得。
専攻は、中国南部の宗族研究、中国のビジネスの歴史と地方史。
現在、香港中文大学教授。
主著書として、Emperor and Ancestor: State and Lineage in South China.(Stanford University Press、2007)、China and Capitalism: A History of Business Enterprise in Modern China.(Hong Kong University Press、2006)、主論文として、La solution lignagère La révolution rituelle du xvie siècle et l'État impérial chinois, Annales, Histoire, Sciences, Sociales(2006, 61:6: pp. 1291-1316)。The Yao Wars in the mid-Ming and their impact on Yao ethnicity, Empire at the Margins: Culture, Ethnicity and Frontier in Early Modern China, ed. Pamela Kyle Crossley, Helen Siu and Donald Sutton (University of California Press、2006:171-189)など。

莊英章(CHUANG Ying-Chang そう えいしょう)
1943年生まれ。
1971年台湾大学考古人類学研究所 修士。1974年、1978年アメリカのハーバード大学で研究。1988年アメリカのスタンフォード大学で研究。
専攻:文化人類学、歴史人口学。
現在、台湾中央研究院民族学研究所兼任研究員、高雄中山大学社会学系名誉講座教授。
主著書として、『客家移民与在地発展』(中央研究院民族学研究所、2018年、共編)、『歷史人口視界下的臺灣民俗研究――紀念武雅士教授專輯 民俗曲藝専輯197』、施合鄭民俗文化基金会、2017年)、『客家社会的行程与変遷』(交通大学出版社、2010年)、『田野与書斎之間――史学与人類学滙流的台湾研究』(允晨文化公司、2004年)など、論文約70本。

麻国慶(MA Guoqing ま こっけい)
1963年生まれ。
1997年北京大学大学院社会学部博士課程修了、博士(社会人類学)。
専攻は社会人類学、中国地域研究。
現在、中央民族大学民族学と社会学学院院長、教授。
主要書として、『家与中国社会構造』(文物出版社、1999年)、『永遠的家――文化慣性与社会結合』(北京大学出版社、2009年)、『人類学的全球意識与学術自覚』(社会文献出版社、2016年)、『文化人類学与非物質文化遺産』(三聯書店、2018年、共著)など。

周 星(ZHOU Xing しゅう せい)
1957年生まれ。
1989年中国社会科学院大学院民族系博士課程修了、博士(民族学)。
専攻は文化人類学・民俗学。
現在、愛知大学大学院中国研究科教授。
主著書として、『郷土生活的邏輯』(北京大学出版社、2011年)、『本土文化的意味』(北京大学出版社、2016年)など。

色 音(SE Yin さいいん)
1963年生まれ。
1992年北京師範大学大学院中国文学研究科博士課程終了、博士(民俗学)。
専攻は民俗学、文化人類学、北方地域民俗宗教研究。
現在、中国社会科学院民族学人類学研究所民族文化研究室主任、研究員。
主著書として、『モンゴルの民俗学』(民族出版社、1996年)、『東北アジアのシャーマニズム』(中国社会科学出版社、1998年)、『中国のシャーマニズム文化』(民族出版社、2011年)。論文として、「祖先崇拝とモンゴル族のアイデンティティ(『社会科学家』9号、2017年)、「経済社会発展とモンゴル族無形文化財の伝承」『内モンゴル民族大学学報』2号、2018年)など。

黃樹民(HUANG Shu-min こう じゅみん)
1945年生まれ。
1977年Michigan State University博士(人類学)。
専攻は文化人類学、生態人類学、永続農業の研究。
現在、台湾清華大学人類所講座教授兼人文社会学院院長。
主著書として、Agricultural Degradation: Changing Community Systems in Taiwan (University Press of America Inc. 1981)、The Spiral Road: Change in a Chinese Village Through the Eyes of a Local Party Leader (Westview Press, 1989)、Reproducing Chinese Culture in Diaspora: Sustainable Agriculture and Petrified Culture in Northern Thailand (Lexington Books, 2010)など。

彭雪芳(PENG Xuefang ほう せきほう)
1963年生まれ。
1985年中国中山大学人類学部学士学位取得。  
専攻:文化人類学、中国少数民族教育、カナダ原住民、非物質文化遺産保護と伝承の研究。
 現在、中国社会科学院民族学与人類学研究所民族文化研究室研究員。
主著作として、『南昆鉄路沿線少数民族社会文化変遷・貴州巻』(北京民族出版社、2002年、共著)、Indigenous Education And International Academic Exchange(Aboriginal Issues Press、2014年、共著)。主論文として、「美国苗族移民的社会適応与文化伝承」(『世界民族』2017年第2期)、「民族地区留守児童状况分析与対策――以貴州省台江県為例」(『貴州社会科学』2016年第10期)、「苗族“非遺”保護与伝承現状調査――以貴州省台江県為例」(『青海民族研究』2015年第4期)、「北美印第安人非物質文化遺産――帕瓦儀式」(『世界民族』2013年第6期)、「従社会文化的視覚分析泰国苗族的社会性別関係」(『世界民族』2007年第5期)、Education for Hmong Women in Thailand(Australian Journal of Indigenous Education, Volume 36 S1, 2007)など。

河合洋尚(KAWAI Hironao かわい ひろなお)
1977年、神奈川県生まれ。
2009年、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了(社会人類学博士)。
専攻は社会人類学、景観人類学、漢族研究
現在、国立民族学博物館グローバル現象研究部・総合研究大学院大学文化科学研究科准教授。
主著書として、『景観人類学の課題――中国広州における都市景観の表象と再生』(風響社、2013年)、『日本客家研究的視角与方法――百年的軌跡』(社会科学文献出版社、2013年、編著)、『全球化背景下客家文化景観的創造――環南中国海的個案』(暨南大学出版社、2015年、共編著)、『景観人類学――身体・政治・マテリアリティ』(時潮社、2016年、編著)、Family, Ethnicity and State in Chinese Culture under the Impact of Globalization(Bridge21 Publications、2017年、共編著)、『フィールドワーク――中国という現場、人類学という実践』(風響社、2017年、共編著)など。

呉雲霞(WU Yunxia ご うんか)
1976年生まれ。
2011年中山大学社会学与人類学系博士課程修了(法学博士)
専攻は文化人類学、ベトナム地域研究現在、イギリス・ランカスター大学大学院博士課程。
主著書として、『文化伝承的隠形力量――越南的婦女生活与女神信仰』 (広州:暨南大学出版社、2012年)、論文として、「越南艾人的田野考察分析:海寧客的跨境流動与族群意識」 (『八桂僑刊』第4期、2018年、共著)、「越南北部郷村民俗对漢文化記憶的本土化建構」,(『開放時代』 第6期、2014年)、「ベトナム客家の移住とアイデンティティ――ンガイ族に関する覚え書」(『客家與多元文化』第9 期、 2014年、共著)、「越南婚嫁習俗与中国文化的淵源関係」 (『中国文化研究』第4期,2010年)など。

金光億 (KIM Kwang Ok きん こうおく)
1947年生まれ。
1980年オックスフォード大学博士(社会人類学)学位取得。
専攻:社会・文化人類学、台湾を含む中国社会、韓国。
現在、ソウル国立大学名誉教授、中国山東大学人類学部一級教授。
主著書として、『中国人の日常世界』(ハングル語、世昌出版社、2017年)、『文化政治と地域社会の権力構造』(ハングル語、ソウル大学出版院、2012年)、『革命と改革中の中国農民』(ハングル語、集文堂、2012年)、編著としてRe-orienting Cuisine: East Asian Foodways in the Twenty-First Century. (Berghahn, 2015)など。マイロン・L・コーエン(Myron L. COHEN)1937年生まれ。1967年コロンビア大学人類学部にて博士号取得。専攻は文化人類学。台湾南部、中国本土(河北・上海・四川)の漢族研究。現在、コロンビア大学人類学部教授/ウェザーヘッド東アジア研究所教授主著書として、Kinship, Contract, Community, and State: Anthropological Perspectives on China(Stanfoed University Press, 2005)、House United, House Divided: Myths and Realities, Then and Now(Columbia University Press, 1976)、House, Home, Family: Living and Being Chinese(Univ of Hawaii Press, 2005)など。

張継焦(ZHANG Jijiao ちょう けいしょう)
1966年海南省海口市うまれ。
1997年中国社会科学院研究生院社会学系応用社会学博士。
現在、中国社会科学院民族学与人類学研究所民族社会研究室主任、二級研究員。中国民族研究連合会副主席、国際人類学・民族学連合会(IUAES)専門委員会理事会副理事長、国際企業人類学委員会主席。
専攻は都市人類学、企業人類学。
主著書として、『城市的適応――遷移者的就業和創業』(商務印書館、2004年)、『亜洲的城市移民――中国、韓国和馬来西亜三国的比較』(知識産権出版社、2009年)、『中国四个城市的移民調査――深圳、青島、呼和浩特、昆明』(知識産権出版社、2009年、共著)、『当今国際人類学』(知識産権出版社,2009年、共編)、Enterprise Anthropology: Applied Research and Case Study(Intellectual Property Publishing House、2011年、共編)、『企業人類学――従社会結構視角分析経済行為』(中国社会科学出版社、2017年)など。

佐々木 衞(SASAKI Mamoru ささき まもる)
1948年生まれ。
1978年九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)(東北大学)。
専攻は社会人類学、東アジア地域研究。
現在、神戸大学名誉博士。
主著書として、『現代中国社会の基層構造』(東方書店、2012年)、『越境する移動とコミュニティの再構築』(東方書店、2007年、編著)、『費孝通――民族自省の社会学』(東信堂、2003年)、『中国農村社会の構造とダイナミズム』(東方書店、2003年、共編著)、『中国民衆の社会と秩序』(東方書店、1993年)、『近代中国の社会と民衆文化――日中共同研究・華北農村社会調査資料集』(東方書店、1992年、共編)など。



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