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台湾原住民研究 29  新刊 これから出る本

台湾原住民研究 29

台湾先住諸族の研究誌。論文・資料・調査報告・エッセイなどを含む関連情報の拠点。

著者 日本順益台湾原住民研究会
ジャンル 定期刊行物
シリーズ 雑誌 > 台湾原住民研究
出版年月日 2025/11/20
ISBN 9784894899247
判型・ページ数 A5・240ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 未刊・予約受付中
 

目次

[論文]
ピヌユマヤン(プユマ)の位牌祭祀:末成道男らによる先行研究との比較から(蛸島 直)
佐山融吉・覚書:その実像に迫るために(角南聡一郎)

[研究ノート]
末成道男教授と台湾原住民族研究(笠原政治)
台湾原住民族スポーツ大会にみる選手の居住地域と出身集落(原 英子)
憲法法廷111年憲判字第17号判決の射程:平埔原住民身分の行方(落合研一)

[特別寄稿]
鳥居龍蔵の第一回台湾調査時におけるタイヤル族調査の様相と非言語的コミュニケーションの可能性について(石井伸夫)

[報告]
展示「台湾人権と音楽の継承:高一生、三世代が紡ぐ家族の歌」およびその背景(宮岡真央子)
石原燃作『フォルモサ!』(山本芳美)
第17回日台原住民族研究フォーラム報告(アリーマン タキスタラン イスタンダ)

[書評]
松岡格著『植民地統治下の台湾原住民:近代国家による統治と社会の可視化』(春山明哲)
岡田紅理子著『道をむすぶ 時をたがやす:台湾原住民族アミ・カトリック信者の近現代誌』(藤野陽平)
トマス・ハヤン著、下村作次郎訳『タイヤル・バライ 本当の人』(魚住悦子)

[彙報]
執筆要領・執筆細則(2025/11/20 改訂)
編集後記

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内容説明

台湾先住諸族の研究誌。漢化と近代化の波に呑まれ、消失・変容しつつある多様なその文化を、人類学の立場から考究、紹介。論文・資料・調査報告・エッセイなどを含む関連情報の拠点。

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編集後記

 今号には新しい編集委員が加わり、多くの投稿がありました。蛸島氏と笠原氏の論考は、2024年1月に旅立たれた末成道男先生の台湾原住民研究との対話に基づく研究です。石井氏による特別寄稿は、近年本誌に複数篇掲載されてきた鳥居龍蔵のフィールドノートに基づく諸研究とも呼応する論考です。春山氏と藤野氏には、本会会員の著作に対して書評を寄せていただきました。他にも、日本統治期の研究史から今日の法制度や文化的状況まで、幅広い関心に基づく多様な主題の論考が集まりました。

 本誌掲載の落合氏論考末尾にも言及されているとおり、2025年10月、台湾で「平埔原住民族群身分法」が制定されました。長年にわたる平埔族による「正名」の中間的着地点といえますが、今後どのような「民族」や「身分」として位置づけられていくのか、注目されるところです。

 台湾からは痛ましい水害のニュースも届きました。2024年4月の花蓮大地震による土砂崩れで馬太鞍渓上流に堰止め湖ができ、それが2025年9月の台風18号の大雨で決壊し、アミの村落、ファタアン(Fata’an、馬太鞍、花蓮県光復郷)を襲ったという洪水被害です。同地では、大きな橋が流され、泥土が村を覆い、死者・行方不明者が多数生じました。その後被災地にボランティアに赴いた人の数は、のべ45万人に及んだといいます(中央通訊社2025年11月5日付報道)。中央研究院民族学研究所や国立成功大学などの研究者が文化財レスキューに赴いたとも聞きました。これらの復興支援のニュースは心を明るくするものでしたが、他方で11月中旬には、同渓上流に別にできた堰止め湖が決壊し、今度は萬栄郷明利村に洪水被害が生じたという悲報にも接しました。

 地震と台風の被害は日本でも毎年のように発生していますが、それらの複合的な災害が原住民村落を次々と襲ったことにやるせなさを覚えます。末筆ながら、被災地へのお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。 (M.M)


29号編集委員会名簿(アイウエオ五十音順)
石垣 直
清水 純
角南 聡一郎
原 英子
松岡 格
宮岡 真央子(編集代表)
山本 芳美

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執筆者紹介(執筆順)

蛸島 直(たこしま すなお)     愛知学院大学文学部教授
角南 聡一郎(すなみ そういちろう) 神奈川大学国際日本学部准教授
笠原 政治(かさはら まさはる)   横浜国立大学名誉教授
原  英子(はら えいこ)      岩手県立大学盛岡短期大学部教授
落合 研一(おちあい けんいち)   北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授
石井 伸夫(いしい のぶお)     鳥居龍蔵を語る会会員
宮岡 真央子(みやおか まおこ)   福岡大学人文学部教授
山本 芳美(やまもと よしみ)    都留文科大学文学部教授
アリーマン タキスタラン イスタンダ(Aliman Takistalan Istanda)
                   総合研究大学院大学文化科学研究科地域文化学博士後期課程
春山 明哲(はるやま めいてつ)   早稲田大学台湾研究所招聘研究員
藤野 陽平(ふじの ようへい)    慶應義塾大学文学部教授
魚住 悦子(うおずみ えつこ)    日本順益台湾原住民研究会会員

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