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中国人の宗教儀礼

道教篇

中国人の宗教儀礼

台湾および香港の道教儀礼に、著者晩年までの補訂・付論を加え、索引を付す。概論・ショウの儀礼・奏職の儀礼・功徳の儀礼など。

著者 大淵 忍爾
ジャンル 民俗・宗教
出版年月日 2005/06/20
ISBN 9784894893009
判型・ページ数 B5・900ページ
定価 本体18,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

口絵(カラー・モノクロ) 

      ●I 臺灣の道教儀禮

第一章 臺灣の道教儀禮概況

 1 序/2 祠廟/3 道士/4 儀禮/附 日程表

第二章 臺灣の道教儀禮の一般的・共通的事項

 1 神々/2 道士と樂師/3 壇と説明/4 法具其他/5 法衣類/6 文獻の種類と文書に關する諸事項
 /7 一般的術語其他/8 道士の動作/9 香に對する考え方と懺悔の意味/10 食物の禁忌/11 供物

第三章 ショウの儀禮

 1 火部/2 金玉壇發表科儀/3 靈寶發奏科/……20 開光科儀/21 慶土科儀/22 和瘟科儀
 /23 靈寶普度科儀/24 文檢/附 彭湖島の

第四章 奏職の儀禮

 1 發表の諸文書/2 正一閲奏職道場/3 奏職文檢/附 乾隆十九年經十五道/解説

第五章 功徳の儀禮

 1 入と頭旬/2 安葬起程/3 開通冥路科儀/……/37 無上溺水拔度水車蔵科儀/38 血湖科儀/39 功徳文檢

第六章 小法事

 1 祈禳祭星解厄科/2 靈寶禳度解連眞科/3 朝眞禮斗清淨科儀上卷下卷/4 禮斗星眞寶懺/
 5 小法事文檢/附録 頌呪偈詞集

      ●II 香港の道教儀禮

序章 香港の道教概況

第一章 正一派道士との諸儀禮

 1 一般的説明/2 通表/3 開壇/4 開啓迎神科/5 淨壇科/6 分燈科/7 掛榜/8 發功曹科/
 9 迎聖科/10 清微禮斗科/11 小幽科/12 頒赦科/13 放生科/14 大幽/15 十華散花解結科/
 16 招魂科/17 遊十殿科/18 登樓科/19 文檢

第二章 三派道士のの儀禮

 1 序/2 淨壇/3 開壇/4 玉京仙班/5 蒙山施食/6 文檢

第三章 市街地の道士(喃嘸)の諸儀禮

 1 序/2 殯法事と下葬/3 打齋に關する一般的説明と做旬/4 開請諸聖/5 招亡坐位/
 6 開經科/7 道士跪拜經懺/8 破九方地獄門/9 引魂遊十王冥殿/10 沐浴更衣/
 11 過金銀仙橋/12 散華解冤結(騫林散花科)/13 蓮華超度幽靈/14 送亡離位と火化紮作/
 15 冥府十王寶懺/附 萬人縁の黄壇法事と青壇法事

第四章 青松觀の儀禮

 1 青松觀の儀禮の一般的説明/2 呂祖無極寶懺/3 攝召眞科/4 五方關燈科/5 散花科/
 6 開壇科/7 啓請科/8 先天斛食濟煉幽科/9 文檢/10 青壇と齋科/11 玄門齋讀本/12 日常勤行

 補注/「玉皇」についての補注
 
【付論】上清経の小研究

 あとがき
 附記
 索引

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内容説明

1983年刊行以来、儀礼研究の原典ともなった名著の抜粋復刻。仏教と民間信仰部分を除く台湾および香港の道教儀礼部分に、著者晩年までの補訂・付論を加え、索引を付す。概論・ショウの儀礼・奏職の儀礼・功徳の儀礼など、詳細を網羅。


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本書を讀まれる方へ


本書は、文部省科學研究費の支給を受けて實施された「道教儀禮に關する調査」の報告書として昭和五八(一九八三)年二月二八日に福武書店より刊行された、故大淵忍爾先生の編になる『中國人の宗教儀禮 佛教 道教 民間信仰』(以下福武書店版と略稱する)の「第二篇 道教儀禮」を拔き出して改訂し、附論として「上清經の小研究」を加えて一册としたものである。以下、故大淵忍爾先生の進めておられた再版へ向けての作業を引き繼いだ者(淺野春二)が、本書をお讀みいただく方々に申し上げておくべき事柄を記しておきたい。


一 本書の著者名・書名について
福武書店版の「第二篇 道教儀禮」は大淵忍爾の執筆部分であるので、本書では福武書店版の編者名を著者名に改め、書名を『中國人の宗教儀禮 道教篇』とした。

一 頁の振り方について
頁は新たに振り直したが、檢索の便を考えて福武書店版のものを括弧内に殘した。本文中で指示されている參照頁等については福武書店版のままとした。

一 口繪について
本書には、道教儀禮に關する部分だけ收録した。口繪の番號は福武書店版のものを括弧内に付した。

一 福武書店版の「序」「あとがき」について
福武書店版の「序」「あとがき」については、本書の元となった福武書店版の成り立ちが記されているので、本書にもそのまま收録した。

一 目次について
目次については、福武書店版から拔き出した部分については福武書店版のままとし、前後に本書において新たに加えた部分の目次を付した。

一 本文について
本文(科儀書本文及び著者による解説文)の誤植等の訂正は、原則として著者が福武書店版に書き込んでいたものによって行った。ただし、編集作業の過程で氣づいた明らかに誤植と思われる箇所については、適宜訂正した。
本文の訂正については、行・頁を變更しなければならない場合は補註において示すこととし、福武書店版の行・頁が動くことのないように留意した。

一 補註について
補註は今回の改訂において新たに加えるものである。
補註の付される箇所は、該當箇所の脇に「(補註)」と記して示した。
補註の内、福武書店版一六七頁から二二七頁に付されているものについては、ほぼ著者の草稿が存在するのでそれに基づいたが、それ以降のものについては、著者が訂正用に福武書店版の餘白へ書き込んでいたメモや該當頁に挾み込んでいたメモなどによって、主に淺野が作成した。作成にあたってはできるだけ著者の意を汲むように努めたつもりであるが誤解や理解不足があったことと思う。


二二七頁以前にある書き込み等を著者の補註の草稿と比べると、原稿化の段階で補註として取り上げるかどうかの取舍選擇がなされた跡がうかがえるが、二二八頁以降については遺憾ながら著者の判斷を仰ぐ機會を失ってしまったので、取舍選擇を行わず、書き込み等のある箇所は基本的に補註として拾うように努めた。書き込まれたメモによって補註を作成したので、著者自身の文章なのか、何らかの書物からの拔き書きなのか分からない場合もあったが、そのまま註とした。お氣づきの點はご教示願いたい。


補註の内、福武書店版一九四頁に付した「『玉皇』についての補註」と同じく四六二頁に付された「法詞」の補註は、著者の殘した道藏等からの拔き書きを基にして丸山が原稿化した。

一 「上清經の小研究」について
「上清經の小研究」は今回新たに附論として收録するものである。
著者の草稿を整理して配列し、原稿としたが、一箇所まだ執筆されていない部分(「二 八素眞經と三眞品目」の末尾)があった。適宜原稿を整えて處理して欲しいとの著者の意向であったが、著者の判斷を仰げない状況で手を加えるのははばかられたので、そのままとし、括弧内に「本章未完」と記してその旨を表した。
「上清經の小研究」の部分については最終的に丸山が原稿を整理して、全体の構成を確認した。

一 索引について
著者は本文索引の代わりとして目次に掲げた項目についての索引を作成して本書に付する意向であったが、本書の儀禮研究における重要性に鑑み、作業を引き繼いだ丸山・淺野の判斷で、著者の解説文全體についての索引を新たに作成することとした。


索引に取り上げる語彙については、丸山・淺野で分擔して選擇した。原則として目次で檢索できる章題・項目等については省いた。また頻出する語彙についてはその該當頁の一部を取り上げるにとどめた。なお本書で新たに加えた補註・附論については索引作成の對象としていない。

一 表記等について
漢字についてはできるだけ正字體を用いるように努めたが、一部統一できないところがあった。
道藏所收の文獻については、福武書店版および著者の草稿、メモ等においてしばしば略名が用いられている。今回の改定・原稿化にあたって若干補った場合もあるが、原則的には識別できる範圍内での略名についてはそのままとして、あえて統一をはからなかった。また經文等の所在に關する註記についても全體として體裁の統一ははからなかった。

附記
本書の著者大淵忍爾先生は二〇〇三年五月一九日に亡くなられた。お元氣なうちに本書の出版を實現させたかったが、それが叶わなかったのは痛恨の極みである。


二〇〇一年三月一八日付のお手紙で、本書の改訂作業を引き繼いでほしいとの依頼を受け、同月三〇日に尾道のお宅へ伺った。そこで先生から改訂作業に必要な原稿や資料を受け取り、作業についての打ち合わせを行った。その後作業に着手したが、とても一人の手には負えないと判斷したので、丸山宏氏に手傳って貰うこととし、その旨を大淵先生に傳えて了承を得た。二〇〇一年一一月三日には風響社の石井社長および丸山氏とともに大淵先生のお宅に伺い、出版へ向けての打ち合わせを行った。翌四日には丸山氏と私とで再度大淵先生のお宅に伺い、研究の思い出話などを伺った。


一刻も早い出版を目指していたものの、作業中途にして先生のご訃報に接することとなってしまった。誠に殘念で申し譯ない氣持ちである。


その後、ご子息の大淵眞爾氏から、先生の意志を繼いで出版したいとのお話をいただき、出版が實現する運びとなった。
本書の改訂作業について私に依頼があったのは、大淵先生が臺灣で長年調査をされてきた陳榮盛道長のところに私が出入りしていたご縁によると思われる。私よりも少し早い時期に、やはり臺灣で儀禮の調査を行っていたのが丸山宏氏である。本書の内容からして助力を得るには丸山氏が適任であると考えた。


改訂作業が難航を極めたため、遲延に遲延を重ねてしまい、大淵家ならびに風響社にご迷惑をおかけした。お詫び申し上げる次第である。大淵先生ご自身が今回の改訂作業を最後までなさっていたならば、よりよいものとなっていたに違いない。こうした形で出版せざるを得なくなったのは、本當に殘念でならない。


改訂作業を引き繼いだ者として、改訂出版に至る經緯を記しておく必要があると判斷し、この一文をしたためた。
大淵忍爾先生のご冥福をお祈りして筆を擱かせていただく。(淺野春二)

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著者紹介
大淵忍爾(おおふち・にんじ)
1912年山口縣に生まれる。1938年東京大學文學部東洋史學科卒業、岡山大學名譽授、文學愽士。
[編著書]『初朞の道教 道教史の研究〈其の一〉』(創文社、1991)、『道教とその經典 道教史の究〈其の二〉』(創文社、1997)、『敦煌道經 目録篇』(福武書店、1978)、『敦煌道經 圖録篇』(福武書店、1979)、『六朝唐宋の古文獻所引 道教典籍目録・索引』(國書刊行會、1988)。

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