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台湾原住民研究 11

台湾原住民研究 11

「現代台湾のもう一つの脱植民地化」(若林正丈)等の論文・研究ノート、小特集:「牡丹社事件」をめぐって、など。

著者 日本順益台湾原住民研究会
ジャンル 定期刊行物
シリーズ 雑誌 > 台湾原住民研究
出版年月日 2007/03/20
ISBN 9784894898516
判型・ページ数 A5・264ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

発行団体名の変更について 笠原政治

[論文]

我が学問に捧げる鎮魂歌 金子えりか
現代台湾のもう一つの脱植民地化:原住民族運動と多文化主義 若林正丈
埔里盆地における最後の原住民:浅井恵倫・鳥居龍蔵台湾映像資料の探求 清水 純
先住民における多元的「貨幣」受容形態:東洋と西洋 角南聡一郎
鳥に変態する蛇:プユマにおける百歩蛇の伝承 蛸島 直

[小特集:「牡丹社事件」をめぐって]

はじめに 笠原政治
〈野蛮人〉の表象、あるいは植民地主義の起源:明治7年の台湾出兵をめぐる諸問題 山路勝彦
パイワン少女オタイからみる「牡丹社事件」:関係者たちの記録と国立公文書館所蔵の公文書を中心に 山本芳美
「牡丹社事件」再考:なぜパイワン族は琉球島民を殺害したのか 大浜郁子
バヅロク(Valjeluk)からの言葉:信頼と希望 華阿財(石垣直訳)

[研究ノート・資料]

台湾に蛇神判はあったか 山田仁史
13番目の台湾原住民サキザヤ族の認定 原 英子

[報告・短信]

國分直一、馬淵東一両先生を偲ぶ:木下尚子教授への公開便 宋文薫
Lさんの「正名回復」:身分証交換の一こま 山本芳美
台湾原住民研究会 仙台にて開催 山田仁史
有縁◆[ニンベン+分](ヨウ ユエンフェン) 宮岡真央子

彙報
本誌第10号の再発行と回収について

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内容説明

「現代台湾のもう一つの脱植民地化」(若林正丈)をはじめとする論文・研究ノートなどに加え、小特集:「牡丹社事件」をめぐって、宋文薫「國分直一、馬淵東一両先生を偲ぶ」、など。なお、11号から価格を本体3000円に改定。

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発行団体名の変更


この第11号から、本誌『台湾原住民研究』は、前号までと同じ誌名を続けながら、母体となる発行団体の名称を「日本順益台湾原住民研究会」に変更します。ご存知のように、以前の第1号から第5号まではやはり「日本順益」と冠した団体名で発行していましたので、本号において再び名称を元に戻すことにしたわけです。


もともと本誌は、台北にある順益台湾原住民博物館(林迺翁文教基金会)から研究助成を受けて1994年に発足した「日本順益台湾原住民研究会」の研究成果発表、資料発掘、情報・意見交換など、さまざまな学術活動を1年ごとに刊行物のかたちで集約し、日本における台湾原住民研究の活性化を図るという趣旨で創刊されたものです。1996年発行の第1号から2001年発行の第5号までの計5冊には、学術論文、研究ノートのほかに、資料紹介、書評、エッセイなど、多彩な内容を盛り込むことができました。第4号、第5号では、小さい企画でしたが、台湾原住民に関連する特集を組むこともできました。


2000年をもって上記の研究助成が終了した後、本誌は発行団体名を新たに「台湾原住民研究会」と改め、基本的にはそれまでと同様の専門学術誌として発行を続けることになりました(第6号の巻末に掲載された末成道男「会の名称変更について」を参照してください)。とは言いましても、発行のための資金がゼロ状態になってしまった雑誌です。版元の風響社および関係者各位の尽力で何とか2002年発行の第6号から2006年発行の第10号まで毎年1冊ずつを世に送り出すことができましたものの、定価を以前よりも高額に設定するほかはなく、購読者にはずいぶんご負担をおかけしてしまいました。掲載した論文や研究ノート等につきましては、研究助成を受けていた時期と変わらない内容と研究水準、あるいはその時期の5冊を越える内容と水準にできるように努めてきたつもりです。


本誌の発行とそれを含めた研究会活動全般のことは、第10号に「日本順益台湾原住民研究会・台湾原住民研究会の10余年」と題して記しておきましたので、詳細に関してはそれをご覧ください(同じ文章は、風響社のホームページhttp://www.fukyo.co.jpにも掲載されています)。


2006年より、順益台湾原住民博物館が、大阪の国立民族学博物館を通して再び研究助成をしてくださることになりました。ここ10年余り続けてきた私たちの研究会活動、出版活動を高く評価していただけたのは大いに喜ばしいことです。これを機に本誌『台湾原住民研究』も発行団体名を発足時の「日本順益台湾原住民研究会」に戻し、さらに充実した誌面作りを目指していきたいと考えています。


研究助成の再開に快く応じてくださった游浩乙館長をはじめとする順益台湾原住民博物館の関係者各位に対して、ここに深甚なる感謝の意を表するものです。
2007年3月20日
雑誌『台湾原住民研究』
編集代表 笠原政治

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執筆者紹介
笠原 政治(かさはら まさはる) 横浜国立大学教育人間科学部教授
金子えりか(かねこ えりか) 元早稲田大学講師
若林 正丈(わかばやし まさひろ) 東京大学大学院総合文化研究科教授
清水  純(しみず じゅん) 日本大学経済学部教授
角南聡一郎(すなみ そういちろう) ⑲ 元興寺文化財研究所人文考古学研究室主任研究員
蛸島  直(たこしま すなお) 愛知学院大学文学部教授
山路 勝彦(やまじ かつひこ) 関西学院大学社会学部教授
山本 芳美(やまもと よしみ) 都留文科大学比較文化学科准教授
大浜 郁子(おおはま いくこ) 法政大学兼任講師
華 阿 財(Valjluk MAVALIU) 大武山文化芸術発展協会理事長
石垣  直(いしがき なおき) 日本学術振興会特別研究員
山田 仁史(やまだ ひとし) 東北大学大学院文学研究科講師
原  英子(はら えいこ) 岩手県立大学盛岡短期大学部助教授
宋 文 薫(Wen-hsun Sung) 国立台湾大学名誉教授
宮岡真央子(みやおか まおこ) 福岡大学人文学部講師

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