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比較日本文化研究 1

比較日本文化研究 1

国際的・学際的視野からの日本文化研究・人間文化研究のための研究・交流の場となることを目指して創刊。

著者 比較日本文化研究会
ジャンル 定期刊行物
シリーズ 雑誌 > 比較日本文化研究
出版年月日 1994/09/01
ISBN 9784894899018
判型・ページ数 A5・104ページ
定価 本体1,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

創刊の言葉
   編集委員会

在日ベトナム難民の異文化適応──定住適応過程と家族観の変容
   川上郁雄

むら争いのフォークロア
   浮葉正親・市原幸江

「二人の旅人」に描かれた「秘密の場所」──昔話に見る原風景
   佐々木高弘

無法者伝承としての「弁慶物語」
   橘 弘文

現代における祭りとその変遷──石川県加賀市動橋町・ぐず焼き祭調査報告
   安井眞奈美・高■(王偏に奇)智・大栗未央・福田京子 

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内容説明

国際的・学際的視野からの日本文化研究・人間文化研究のための研究・交流の場となることを目指して創刊。

 

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創刊の言葉


二十一世紀を目前にひかえ、日本を取り巻く、世界の政治や経済をはじめとする文化の状況は激しく変貌しつつある。そうしたなか、日本の国際化も急速に進み、日本語・日本文化に対する国内外からの関心はまことに大きなものになってきている。このような状況の到来を予想しつつ、大阪大学文学部に、国際的・学際的視野に立った日本文化研究を展開するための日本学研究室が発足してから、本年でちょうど二十年を迎える。


日本学研究室は、一九七四年に、文学部の日本学講座として発足した。一九七六年からは日本文化学講座・比較文化学講座・社会言語学講座からなる大学院独立選考の日本学選考の日本学選考過程として研究・教育を行ってきたが、一九八六年には、文部省に日本学科も設置され、学部・大学院の一貫教育が可能な、現在に至る文化系三講座・言語系三講座の体制が確立された。近い将来には、文学部は学部中心の体制から大学院に重点をおいた大学に改組することになっている。これにともなって日本学研究室もさらなる発展を遂げることになるだろう。


この間、日本学研究室のある待兼山キャンパスで、多くの日本人および外国人の大学院生・学部生・研究生、そして客員研究生が、教育を受け、また研究を重ねてきた。ここを巣立って、大学や博物館などにおいて研究・教育にたずさわる卒業・修了生もかなりの数になった。しかし、残念なことに、これまで卒業生・修了生、そして在籍者が集まって研究発表し、恐竜を深める場を設けるまでには至らなかった。


そこで、このたび、留学生を含めた私たち日本学文化系の教官、卒業・修了生、在籍者が中心になって、専門分野の研究を深めつつ、幅の広い視野から日本文化研究を進めるための研究・交流の場として、「待兼山比較日本文化研究会」を発足させるとともに、その機関誌として『比較日本文化研究』を刊行することとなった。日本学専攻は全国でも珍しい研究・教育機関ではあるが、そのため内実が不明瞭な部分も多く抱えてきた。しかし、過去二十年間の教官・院生をはじめとする研究者の長年にわたる研鑽によって、日本学文化系諸講座では、日本文化を国際的視座すなわち諸外国の文化との比較や相互交流の歴史のんあかで研究するという理念のもとで、日本思想史、文化人類学、民族学、人文地理学、文化交流史を基本的視点とした研究体制を確立してきた。したがって、私たちの研究会も、そうした研究分野での方法論や個別研究の成果を尊重しつつ、それぞれの研究分野の枠を越え、さらには大阪大学という枠をも越えて、学際的な日本文化研究・人間文化研究を大胆かつ粘り強く模索したいと考えている。


一九九四年九月一日 『比較日本文化研究』編集委員会

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