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チベット研究文献目録

(中文・日文)1945-1999

チベット研究文献目録
著者 索 文清
ジャンル 書誌・資料・写真
出版年月日 1999/11/30
ISBN 9784938718800
判型・ページ数 A5・280ページ
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次
  序 
  前言 

1 中國藏學研究文獻書目 
  編例 
  目録 
  中國藏學研究文獻書目 

2 日本チベット研究文献目録 
  凡例 
  目録 
  日本チベット研究文献目録 

  中國藏學研究文獻書目 著者名索引

  日本チベット研究文献目録 編著者・訳者名索引



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内容説明

戦後、中国と日本において発表された著書・翻訳書・文献・資料の目録。蒙古・メンパ・ロッパ・チャン・プミ・ナシ族等周辺諸族の研究に目配りし、台湾・香港の文献も収録。さらに、公刊されていない中国諸機関の内部発行資料を初めて紹介。


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本文献目録には、最近五十年間に中国と日本に於いて発表されたチベット研究に関する著書、翻訳書、文献、資料を収録した。中国文部分は筆者が編纂し、日本文部分は八巻佳子が編纂した。本文献目録を編纂するに到った背景および作成情況について、簡略にふりかえってみたい。


改革開放以来、中国大陸におけるチベット研究は著しい進展をとげ、チベット研究に従事する研究機構や研究人員は日増しに増え、毎年全国各地で発表され出版される論文・専門図書は枚挙に暇がない。次々に発表され刺戟をもたらす研究成果を目前にみて、多くの研究者やチベット研究に関心を抱く人は皆、最近のチベット研究において、どの領域が著しい成果をあげているのか、またどの領域に関心度が低いのか、そして今後特に探究されるべきなのはどの領域か、ということを知りたいと願っている。そこで十分に整理され系統的に編纂された文献目録が作成されたなら、当面のチベット研究の動向が知られ、研究工作における重複を避けうるし、同時に過去の研究成果に対する回顧と評価も可能である。筆者は周囲に支持をうけ、1997年から資料収集に着手し、多くの利用者に便宜なチベット研究文献目録の編纂をすすめてきた。


作業を始めてまず第一に遭遇した課題は資料収集の範囲の確定である。チベット研究が対象とする範囲は極めて広く、チベット族のほか、蒙古、メンパ、ロッパ、チャン、プミ、ナシ族等の諸民族が含まれる。これらの民族はチベット族と歴史、宗教、文化、風俗習慣等の面で極めて密接な関係にある。チベット研究ではこれら諸民族の研究、とりわけ歴史、宗教面の研究を除外することはできない。したがって、資料収集では、上記の諸民族に関する研究成果にも注意を向け、必要な資料は収集範囲に含め、渉猟し、資料研究の視野を拡げた。


第二の課題として筆者は,既刊のチベット研究文献目録の中には、香港・台湾の研究者による研究成果が全く収集されていないことに気づいた。これはある時点で客観的条件の限界が有り、資料の収集整理の段階で様々な困難があったためである。しかし最近の香港・台湾の学者による著作の中には、資料価値の重要性や学術水準の点で極めて高度なレベルのものが少なからずあり、彼らの研究が中国におけるチベット研究にとって不可欠の存在であり、重視すべき研究であることを認識せねばならない。筆者はこのたび収集しえた文献中、特に台湾研究者による研究成果をすべて本目録に収集した。この事は収集内容に新たな特徴を付加し、香港・台湾におけるチベット研究に関する客観的な理解と認識を利用者に与えることとなろう。


第三には、80年代前後、大陸では調査研究書の一部分は内部発行となっていた。これらの図書・資料は当時公開発表できなかった。その理由は決して研究水準上の問題ではなかった。今日からみればこれら諸文献の価値は極めて高く、もし収録しなければチベット研究上の一大損失となろう。そこで筆者は敢えて前例を破り、所謂内部発行資料をも収録した。これらの資料は出版社から正式に出版されていないため、すべて「内部資料」の文字が表示されている。


最近二年間の収集整理作業の結果、2400余件の文献を収集できた、筆者自身による構成に従った目録の分類、排列を行なったが、文献目録の編纂は複雑で緻密性を要する作業であり、完璧な編成、適確な分類をめざし作成することは極めて難しいことが分った。


1998年9月、筆者は日本東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の客員教授として招聘をうけて来日し、同研究所の賛同と支持をえて本文献目録を研究成果として出版することとなった。筆者は喜びと共に又新たな着想をえて、日本におけるチベット研究の成果をも収録し増補したなら、中国日本両国の研究者や利用者にとって一層の便宜となるのではないかと考えた。そこで日本の友人八巻佳子氏にこの作業を依頼した。八巻氏は長年チベット語を学び、チベット研究や研究動向に注意を払っており、この作業を快諾され、大変短時間のうちに日本文部分の編纂整理を終えた。この中日両国の文字に基くチベット研究文献目録の作成と出版に到るまでには、決して少数の者だけが関わったのではない。この中には多くの尊敬する友人や家族の共同の心血が注がれている。まず第一に挙げなければならないには、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所所長石井溥教授であり、そして招請人の三尾裕子助教授である。御二人は本書の出版のために始終熱心に支持して下さった。妻劉暁と娘秋勁は、蓄積した資料を編集排列し、文字の打ち込み、校正に辛苦をいとわず従事して本書の完成にこぎつけた。風響社の石井雅氏も本書の出版のため多くの援助を与えて下さった。ここに著して一人一人に謝意を表明したい。当然ながら最後に筆者が感謝を表わさねばならないのは、本目録に収録されている著作者たちである。なぜなら、彼らの辛苦研鑚がなければ、本目録の誕生もなかったであろう。


今回提出することとなった本目録は、読者諸氏が要求する目標には程遠い内容であるかも知れない。中には些かの不足や誤りがあるやも知れぬが、足らざるを顧りみず、敢えてここに提示した。専門研究者諸先輩の方々の忌憚ない御教示と御叱正を賜り、今後ひきつづいて修正と補充に努め、より一層の完璧を期したいと願っている。


1999年春 東京外国語大学にて
索 文 清


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〈編者紹介〉
索 文 清(さく ぶんせい)
1936年生まれ、中央民族大学教授(民族文化宮・研究員)。
チベット歴史文化専攻。
主な業績は、『チベット社会の飛躍』(共著、1978年 拉薩 西蔵人民出版社)、『チベット史要』(共著、1981年 成都 四川民族出版社)、『チベット史話』(チベット語版)(1989年 成都 四川民族出版社)、『チベット史料集(4)』(1993年 成都 四川民族出版社)、『ロッパ族・メンパ族文化誌』(中華文化通誌叢書)(1998年 上海 上海人民出版社)など。

八巻佳子(やまき よしこ)

東京生まれ。お茶の水女子大学文教育学部専攻科(現大学院)修了。

アジア経済研究所勤務。

1994-1996年、中国四川聯合大学大学院留学。

訳書『中国大凉山イ族区横断記』(曽昭?著 1982年 築地書館)、『現代チベットの歩み』(A・T・グルンフェルド著 1994年 東方書店)。

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