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原語によるクヴァラン族神話・伝説集

原語によるクヴァラン族神話・伝説集

80年代に採集したクヴァラン族の語りを原語、日、英、中の対訳形式で収録。神話・儀礼等の解説を付す。

著者 清水 純
ジャンル 芸能・文学
シリーズ 台湾原住民研究資料叢書
出版年月日 1998/03/30
ISBN 9784938718879
判型・ページ数 B5・370ページ
定価 本体5,210円+税
在庫 品切れ・重版未定
 

目次

はじめに

第一部 解説

  1.クヴァラン(Kvalan)族概略
  2.クヴァラン族の神話と儀礼
     クヴァラン族の神話の特徴
     ムトゥマズ神話(テキスト番号01、02、03)
     ムトゥマズ神話のその他のヴァージョン
  3.儀礼のプロセス
     治療儀礼の過程
       キサイーズ儀礼
       パクラビ儀礼
     葬送儀礼
  4.種族起源伝説
     起源伝説(テキスト番号04-09,14)の内容
  5.日本語による種族起源伝説
  6.伝説の考察
  7.その他の伝承について
  注
 解説/英語訳
 解説/中国語訳

第二部 テキスト

  音素記号/伝承者について
    英語訳
    中国語訳

  テキスト(クヴァラン語/英語/日本語/中国語)
   テキスト01 ムトゥマズ神話      語り手:朱烏吉
   テキスト02 ムトゥマズ神話      語り手:陳玉葱
   テキスト03 キサイーズの起源     語り手:朱老毛
   テキスト04 クヴァラン族の祖先の伝説 語り手:朱烏吉
   テキスト05 クヴァラン族の祖先の伝説 語り手:李亀劉
   テキスト06 クヴァラン族の祖先の伝説 語り手:李金梅
   テキスト07 クヴァラン族の祖先の伝説 語り手:朱老温
   テキスト08 クヴァラン族の祖先の伝説 語り手:朱吐文
   テキスト09 クヴァラン族の祖先の伝説 語り手:朱老毛
   テキスト10 失われた文字の話     語り手:朱吐文
   テキスト11 馬鹿なクヴァラン     語り手:李亀劉
   テキスト12 蛇の話          語り手:李亀劉
   テキスト13 福建人とタガブランの争いにクヴァランが加勢した話
                      語り手:李亀劉
   テキスト14 クヴァラン族の祖先の伝説 語り手:陳功吉
  クヴァラン語解説
     英語訳
     中国語訳

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内容説明

平埔族の中でも漢化が遅れたクヴァラン族は、かつての文化をかろうじてとどめている。本書は著者が80年代に採集した語りを原語、日本語、英語(金子えりか訳)、中国語(王順隆訳)の対訳形式で収録。さらに神話・儀礼等についての解説を付す。


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はじめに 清水 純


本書は、台湾に原住するクヴァラン族の神話・伝説を集成したものである。ここではクヴァラン語による語りを原語のまま収録し、日本語・英語・中国語の訳を加えた。また、クヴァラン族の神話伝説の概要、および神話と儀礼との関わりについて解説を付した。


本書に収められた個々の伝承は、いずれも1984年から1986年にかけて、現地において筆者が直接原語で録音採集したものである。このときの現地調査はトヨタ財団による1984年度研究助成によって実現したものであり、その際、筆者は台湾の中央研究院民族学研究所の協力のもとに、同研究所の訪問学員として調査を行った。口承伝承の採集地点は、台湾東部の花蓮県豊浜郷新社村、及び磯崎村、豊浜村の3カ所である。神話と関連の深いクヴァラン族の儀礼や世界観に関しては、新社村での現地調査によって得られたデータに基づいて解説をまとめた。


本書の作成と刊行は、多くの人々の協力のもとに実現したものである。


伝説の録音に当たっては、新社村及び近隣に在住するインフォーマントのみなさんのご協力をいただいた。また、録音の聞き取りと音声記号による書取り作業・ならびに日本語への翻訳に当たっては、新社村の蔡阿生さんに多大なご教示とご協力をいただいた。数カ月にわたる蔡阿生さんのご協力なくしては、正確な対訳テキストの完成を見ることはできなかったろうと思われる。


さらに、筆者は言語学とは異なる領域(文化人類学)を専門とするため、原語によるテキスト作成には多くの困難があったが、土田滋教授(順益台湾原住民博物館館長、元東京大学文学部言語学科教授)から丁寧なご指導とご教示をいただき、その結果、クヴァラン語の表記、とりわけ音素の表記と単語の区切り方に関する問題点を解決することができた。また、四言語対訳テキスト作成の際のコンピューターによるデータ処理方法については、土田教授ならびに私の夫、本間直行から適切な教示を受けた。


本書の刊行は、順益台湾原住民博物館からの出版助成を受けることによって実現した。刊行にあたっては、土田教授および東京大学東洋文化研究所の末成道男教授からの熱心なご推薦をいただいた。また、金子えりか先生が英語訳を、王順隆先生(文教大学講師)が中国語訳をお引き受けくださったことにより、本書をより多くの研究者および読者に利用してもらうことができるようになった。


さらに、最終的な編集・校正にあたっては、東京都立大学大学院の陳文玲さんのご協力を得た。版下作成の際には、石井雅さんから貴重なアドバイスをいただいた。


これらの方々および関連機関の援助に対して、改めてお礼申し上げたいと思う。

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