ホーム > メッカ大巡礼

メッカ大巡礼  新刊 これから出る本

イラン人の妻として 導かれて辿った祈りへの道

メッカ大巡礼

敬虔な信者となった日本人女性が、世界各地から300万人が集う一大行事に参加。一ヶ月におよぶ道中の顚末と信仰の基本を綴る。

著者 渋谷 洋子
ジャンル 民俗・宗教・文学
シリーズ 風響社ブックレット
出版年月日 2026/10/25
ISBN 9784894893566
判型・ページ数 A5・76ページ
定価 本体800円+税
在庫 未刊・予約受付中
 

目次

神のみ名において

メッカ大巡礼:目次

1 旅の始まり
2 イスラム世界との出会い
3 イスラム教徒となり、イランに暮らす
4 「啓典コーラン(クルアーン)」は教えの源
5 メッカ大巡礼への道のり
6 シーラーズを旅立つ
7 メディナに到着
8 メッカへ出発
9 地球の中心「カーバ神殿」
10 人類歴史のあけぼの
11 告別の巡礼
12 「大祭」はじまる
13 ジェッダ空港からシーラーズへもどる
14 景観がどんなに変化しても、かわらずに続く巡礼行事
15 それから
あとがき

表1 大巡礼の日程
表2 関係略年表
表3 コーラン和訳の出典
表4 主な表記対照表
表5 イスラム暦の月名と行事
表6 イラン暦の月名と西暦対照
収録写真図表一覧

このページのトップへ

内容説明

敬虔な信者となった日本人女性が、世界各地から300万人が集う行事に参加。一ヶ月におよぶ道中の顚末と信仰の基本を綴る。
──大巡礼は毎年行なわれ、世界中のイスラム教徒が数百万人も参加する大規模で国際的な行事となっています。ムスリム(イスラム教徒)であれば一生に一度は、この大巡礼に参加することが義務とされていますが、多くの人々が経済的や健康などの様々な理由で参加することができず、大巡礼への参加はとても困難なこととなっています。(本文より)

*********************************************


    本文より





 ……世界中から国籍や人種、年齢や性別の差別なく、イスラムの教えのもとに集い、巡礼者たちは皆白いエフラーム(巡礼衣)姿で、この大巡礼に参加しました。

 「地球の中心」そして「世界の口」とも呼ばれるカーバ神殿にムスリム(イスラム教徒)たちは集い、「大祭」をやり遂げた心の平安とともに、皆またそれぞれの故郷にもどっていったのです。

 マスジド・ハラム(聖モスク)の回廊の屋上から、カーバ神殿を回巡する巡礼者たちの途切れることのない渦巻きを眺めていると、世界中のイスラム教徒が一堂に会したこの大巡礼の中心カーバ神殿は、ほんとうに地球の中心なのではないかという思いをあらためて強く感じるのでした。

 イランの巡礼団の人たちとの一ヶ月は、同室の人たち、同行の人たちと、休みの時間には皆で身の上話に涙を流したり、おしゃべりに笑い合ったりして過ごしたのも楽しい思い出となりました。同行の皆さんには、いろいろ疑問のことを教えてもらったり、辛い時には慰めてもらったり、相談し合い助けてもらいました。

 イランの巡礼団の人たちと過ごした巡礼の共同生活は、私にとってとてもよい経験となり、巡礼の旅の終わりには、困難な巡礼行を皆で助け合いながらいっしょに乗り越えてきたという充実感が満ちあふれていました。

 無事にこの巡礼をすませることができたことは、巡礼団の一人一人の支えのお蔭だと感謝の気持ちでいっぱいです。

 あの大巡礼から一五年以上の時が流れていますが、あの巡礼中に出会った様々な人たちとの光景が今も鮮やかに思い出され、つい昨日のことのように思えます。年老いた母親と息子のシリアからの巡礼者たち。迷子にならないようにロープを張ってそれを握って行進していた東南アジアからの女性の巡礼者たち。大トンネルの入口で「イラン、ありがとう」と何度も叫んで手を振っていた中東の青年たち。中国のイスラム教徒の留学生。礼拝前の浄めの「ヴォズゥ(小浄)」の水を肩からいきおいよくかけていた黒い肌の大柄な女性たち。大きな白い袋を肩にかけ、エスカレーターから落ちてしまった白ひげのおじいさんは、きっとエスカレーターに乗ったこともない西アジアの山奥からやって来た人なのでしょう。

 昔、シーラーズの建設現場で働いていたというアフガニスタン人の土産物店の店員さん。「カーバ神殿」の「タワーフ(七回巡り)」のときに出会った黒い肌の大男たちの巡礼者たち。

 あのメッカ大巡礼で出会ったこれらの人たちは、今頃はどうしているのでしょうか。……


*********************************************

著者紹介
渋谷洋子(しぶや ようこ)
1947(昭22)年12月8日、千葉県香取郡に生れる
1966(昭41)年、都立日比谷高校卒業
1970(昭45)年、慶應義塾大学文学部史学科東洋史専攻卒業、卒業論文(前嶋信次先生担当) 「中央アジアのイスラム建築」 (西トルキスタンにおける中世イスラム建築について) 概要:九~十二世紀の中央アジアの歴史とイスラム建築について
1970年~1977年、三菱金属(株)勤務
1970年~ 「シルクロードの集い」にかかわる
1977年~1980年、東京都立大学工学部建築学科東洋建築史石井昭先生研究室研究生
1980年3月、石井研究室「インド・デカン地方の建築調査」に参加
1980年5月6日、イラン・シーラーズにてハキミ・アブドルハミド(HAKIMI ABDOLHAMID)と結婚、イスラム教徒となる
1980年6月24日、日本にて入籍
1981年6月、長女誕生
1983年8月、次女誕生
1989年1月、夫の故郷イラン・シーラーズへ家族で帰国
2006年12月6日~2007年1月5日、イラン巡礼団に参加してメッカ大巡礼に行く
2012年1月、孫誕生
2014年4月、孫誕生

執筆歴
・会誌『ハルブーザ』「薔薇園にて ペルシアのささやき」連載
・石元泰博写真『イスラム 空間と文様』(1980年 駸々堂)写真解説執筆
・『イスラーム文化事典』(丸善出版2022年11月30日発行)「宗教施設、建築(ペルシア)」(十四章 宗教施設、住空間)執筆

このページのトップへ